瀬田よ、瀬田よ
瀬田は、いつも眼鏡をかけていた(しかし伊達だった)。
ずっと借りっぱなしだった大量の漫画を無理矢理詰め込んだかばんを引きずりながら瀬田の家へ向かう途中、あたしは
「本当に死んだのか、瀬田よ」
と、わざと声に出して言ってみた。
瀬田よ、瀬田よ
お前さんが自分で作詞作曲した痛々しい歌をテープに録音してレコード会社に送りまくってたの知ってたよ
その度に送り返されて落ち込んでたのも全部知ってたよ(あんな曲じゃ当たり前だ)
にんじんが嫌いで、
極度の人見知りで、
字が下手くそだったし、
盲腸で入院した時に本気で死ぬとか騒ぐほどの馬鹿だったな
色白で背が高くて
髪がさらさらで
手脚が長くて
相変わらず体は薄くて
それから
それから
ヒドクかっこよくて
好きで好きで仕方なかった
瀬田よ、瀬田よ
遺影の瀬田はやっぱりかっこよすぎて
目が合わせられなかった。
やっぱり漫画は
まだ借りておこう。
大量の漫画を無理矢理詰め込んだかばんを引きずりながら自分の家へ帰る途中、
「本当に死んだのか、瀬田よ」
と、わざと声に出してみたら涙が止まらなくなった。
瀬田、瀬田、瀬田。
ずっと借りっぱなしだった大量の漫画を無理矢理詰め込んだかばんを引きずりながら瀬田の家へ向かう途中、あたしは
「本当に死んだのか、瀬田よ」
と、わざと声に出して言ってみた。
瀬田よ、瀬田よ
お前さんが自分で作詞作曲した痛々しい歌をテープに録音してレコード会社に送りまくってたの知ってたよ
その度に送り返されて落ち込んでたのも全部知ってたよ(あんな曲じゃ当たり前だ)
にんじんが嫌いで、
極度の人見知りで、
字が下手くそだったし、
盲腸で入院した時に本気で死ぬとか騒ぐほどの馬鹿だったな
色白で背が高くて
髪がさらさらで
手脚が長くて
相変わらず体は薄くて
それから
それから
ヒドクかっこよくて
好きで好きで仕方なかった
瀬田よ、瀬田よ
遺影の瀬田はやっぱりかっこよすぎて
目が合わせられなかった。
やっぱり漫画は
まだ借りておこう。
大量の漫画を無理矢理詰め込んだかばんを引きずりながら自分の家へ帰る途中、
「本当に死んだのか、瀬田よ」
と、わざと声に出してみたら涙が止まらなくなった。
瀬田、瀬田、瀬田。
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