バンドブーム〜14〜
障害物のない日当たりの良い屋上にギターの音色が鳴り響く。
(誰が弾いてるんだろう?)
音に釣られ屋上へ向かう。
ガチャ
扉を開けると行き場を失った音が風と共に入ってきた。
同時に音の主がわかった。
(・・・大桑くんと・・・海山くん・・・?)
確か職員の間では“大桑が海山をイジメてる“と囁かな噂になっていたはず・・・。
♪♪♪♪⌒♪♪♪⌒♪♪
(・・・!!!)
凄い綺麗な声。
驚きが体外から出てしまったのか、海山くんがあたしに気付いた。
海山くんが手招きをする。
・・・誰の歌だろう?凄く良い歌・・・。
海山くんの隣に座って大桑くんの歌声に引き込まれていくあたし・・・。
♪♪⌒♪♪♪♪⌒♪♪♪
♪♪♪♪⌒♪♪♪♪⌒♪♪
大桑くんの声・・・あたし好きだ・・・。
曲の流れからしてエンディングのギターソロだ。
ジャラーン♪
夢中で手を叩く。
「ふぅ〜。どうだった?俺の作った曲は」
拍手を止めた
「え!?大桑くんがつくった曲なの!?」
今日1日で1年分驚いたかもしれない。
「まぁ・・・そうだけど・・・。おいアケミツ、このかわいい先生、誰だ?」
「え?知らないの?・・・あ、そうか。僕のクラスと大桑のクラス、英語の教科担当と違うもんね。」
口が開いていることに気付いた。
「・・・あ、あたし小川 朋子です。23歳の新任教師です・・・。」
二人の小さな拍手が起きた。
「ふぅ〜ん。トモコ先生ね。はいよ、残り少ない中学校生活ですが・・・どーぞよろしくね。」
・・・かっこいい・・・・・・・!!!いや、相手は中学生だぞ!
ましてや生徒だ!なにかの間違いだ・・・!
「・・・ところでアケミツ。俺の曲、文化祭でやっていいかな?」
「うん、いいよ。かなりいい歌だったよ。今売り出してるプロのミュージシャンよりいい歌だったと思うよ。」
「あたしも同感!」
「よし、んじゃ練習の続きといきますか。」
チャイムが鳴った。
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