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バンドブーム〜14〜

[300]  こう  2007-03-28投稿

障害物のない日当たりの良い屋上にギターの音色が鳴り響く。

(誰が弾いてるんだろう?)

音に釣られ屋上へ向かう。
ガチャ

扉を開けると行き場を失った音が風と共に入ってきた。
同時に音の主がわかった。
(・・・大桑くんと・・・海山くん・・・?)

確か職員の間では“大桑が海山をイジメてる“と囁かな噂になっていたはず・・・。

♪♪♪♪⌒♪♪♪⌒♪♪



(・・・!!!)

凄い綺麗な声。

驚きが体外から出てしまったのか、海山くんがあたしに気付いた。



海山くんが手招きをする。



・・・誰の歌だろう?凄く良い歌・・・。

海山くんの隣に座って大桑くんの歌声に引き込まれていくあたし・・・。

♪♪⌒♪♪♪♪⌒♪♪♪
♪♪♪♪⌒♪♪♪♪⌒♪♪

大桑くんの声・・・あたし好きだ・・・。

曲の流れからしてエンディングのギターソロだ。

ジャラーン♪



夢中で手を叩く。




「ふぅ〜。どうだった?俺の作った曲は」

拍手を止めた

「え!?大桑くんがつくった曲なの!?」

今日1日で1年分驚いたかもしれない。

「まぁ・・・そうだけど・・・。おいアケミツ、このかわいい先生、誰だ?」

「え?知らないの?・・・あ、そうか。僕のクラスと大桑のクラス、英語の教科担当と違うもんね。」

口が開いていることに気付いた。

「・・・あ、あたし小川 朋子です。23歳の新任教師です・・・。」

二人の小さな拍手が起きた。

「ふぅ〜ん。トモコ先生ね。はいよ、残り少ない中学校生活ですが・・・どーぞよろしくね。」



・・・かっこいい・・・・・・・!!!いや、相手は中学生だぞ!
ましてや生徒だ!なにかの間違いだ・・・!

「・・・ところでアケミツ。俺の曲、文化祭でやっていいかな?」

「うん、いいよ。かなりいい歌だったよ。今売り出してるプロのミュージシャンよりいい歌だったと思うよ。」

「あたしも同感!」

「よし、んじゃ練習の続きといきますか。」











チャイムが鳴った。



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