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PERSON OF TASTE《?》

[219]  73  2007-03-28投稿
「美咲ちゃーん。一緒に帰りましょ」
声のする方を見ると春紀がいた。
「はぁ?なんであんたと帰んなくちゃいけないのよ」「今日は親いないんだもん。久しぶりに美咲ん家で飯食わせてもらおうと思って。おばちゃんにはさっきメールで連絡したし」
“ほれ”と言って私に携帯を見せてきた。
私は一つため息をつき、荷物をまとめる。
春紀は、神谷に
「ごめんなー、いいとこ邪魔してー。」
とか調子いい事を言っている。
楽しそうな春紀に続いてしぶしぶ屋上を後にしようとしていた時に神谷が大きな声をあげる。
「あ!思い出した!」
私は、振り返り神谷を見つめる。神谷はニヤリと笑い、言った。
「女の子が、ぶつかった相手睨むのはどうかと思うぞ?」
私は思い出し、みるみる顔が熱くなる。
「…それと」
一呼吸おいて神谷は続ける。
「…絵、気に入ったんなら、また見に来な。美咲」
ふんわりと柔らかい笑みを浮かべる神谷。今度は違う意味で私の顔は熱をもった。
帰り道。
いつもは絶対笑わない春紀の冗談にも爆笑するご機嫌な私がいた。
「何だか機嫌いいねー。神谷と何かあった?」
春紀はからかい口調で聞いてくる。
「…べ、別に何も。」
そう言いつつも顔がにやける。
「…はぁー、俺は全くおもしろくないけどな」
ボソッと呟き、春紀は急に不機嫌になる。
そんな様子を見て、私は話題を変える事にした。
「春紀、急に珍しいよねー。昔はよく家に遊びに来てたけど。最近あんまり来ないし」
しかし、この話題は私の選択ミスだった。春紀は、笑顔で答える。
「誰かさんがいつからか俺の事避けるからじゃねーの?」
笑顔が逆に怖かった。“誰かさん”と呼ばれた私の額にはうっすら冷や汗が浮かんでいた。

続く

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