俺は天使 前編
俺は天使だ。
まだ 半人前の天使だが、今日でそんな半人前は卒業することになっている
半人前の天使が 一人前になるには、地上の住人・・・つまり人間 を100人 幸せにすることだ。
俺が今までに幸せにしてやった 人間どもは、99人
今日 1人幸せにしてやったら、俺は一人前になる
俺は 正直言って、人間が嫌いだ。
今まで幸せにしてきてやった99人は、どいつも こいつも 自分の事ばかり
自分さえ幸せなら それでいいと思ってやがる。
そんな自分勝手な人間を また1人 幸せにしてやるかと思うと吐き気がするが、 一人前になるためには 仕方ない。
結局は 俺も自分勝手な人間どもと変わらない。
自分が一人前になるために、どんなことでもするんだからな・・・
俺は 地上に降りて、適当な奴に声をかけた
できるだけ、爽やかに
天使に見えるように 優しい声を出した
『 こんにちは お嬢さん。 僕は天使です
君を幸せにして差し上げます。 君の願いを教えてください。』
声をかけた 女は、驚いた様子だったが すぐに俺に願いを話した
「 ・・・、 私の願いは 世界が平和であることです。
天使さま どうか世界中の苦しむ人々をお救いください 」
驚いた
人間どもの中にも こんな他人を思いやる心を持った奴がいることに
だけどこの女は 他人の幸せを願って、自分の幸せなんか、全然願ってねぇ
これじゃあ 願いを叶えたって、意味がねえじゃねぇか!
そして 俺はキレた
『 オイ 女! 綺麗事ばっか言ってんじゃねぇよ!! 他人なんか幸せにして 得る幸せなんかねぇんだよ!
自分の幸せだけを考えろ! 』
うっかり 地がでた・・・、
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