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ナイト・オン・ドラグーン【88】話『憎しみ』

[215]  ミルク  2007-03-31投稿
『オラオラオラオラァーーッッ!!!』

ジャックは両手の剣を振る。
一撃目は受け止められるものの二撃目で必ず弾かれてしまう。

『くっ…』

受け止め続ける度、肩の傷に激痛が走る。
それでもアインはひたすらジャックの剣を受け止め続けた。
不意にジャックの蹴りがアインの腹をえぐった。

『がっはぁ…』


アインは腹を抑え、粗く肩で呼吸した。

『クカカカカ…”竜の子”とちやほやされてたお前がこんなにも弱かったなんてなぁ!?』

愉快愉快と、満足気な表情をジャックは浮かべる。

その視線は遥に冷たい。

『わからないな…』

『なに?』
笑うのを止め、ジャックはアインに問う。

『昔のお前は違った…誰よりも努力家で気の好い男でっ…俺の知ってるジャックという男はっ!力ばかりに頼る奴じゃない!』

『……憎いからだよ』

ジャックの眼光が鋭くなる。
『お前が憎いんだよ!!アイン!!!』

『なっ…!?』

アインはジャックを見た、こちらへ手の平を翳している。
一点に集中するように黒い物がジャックの手の平に集まっていた。

『どんなに鍛練を重ねたところで、俺の目の先には…アイン、お前がいた。誰にでも好かれ、誰よりも天武の才を持ち、認めてくれる人がいた。俺には無い物をお前はすべて持っていた!』

翳していたジャックの手の平は黒い球体の塊で見えなくなっていた。
こちらに向かって魔法を放つ気なのだろう。

『なんだと…』

『ふん、べつにそれらを俺は今はなんとも思わねぇ…ただ、お前は俺に許せないことをした。』


『ジャック…お前っ!』

恐らく、聞く気はないのだろう。ジャックは構わず続ける。

『初めて、お前との真剣勝負の時だ。』

『あぁ、覚えているよ。ジャック。二人とも初めての戦いだった、そしてその時は俺の勝ちだった』

『そうだ。アイン、貴様が勝った。そして、お前は俺に屈辱的な思いをさせた!』


歯を食いしばるジャックをアインは見据えた。


『あの日、負けた俺にお前が”勝ち”を譲ったことだ!!!!』

溜まりに溜まった魔法がアインへと打ち出された。

黒い塊がアインの視界を満たす。

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