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〜Stliker〜哀編(48)

[468]  焼き魚  2007-04-01投稿
黒ずくめの服装をしたハーツは仰向けに倒れている隆也に対してこう話しかけた。

ハーツ「そんなに悔しいか?」

隆也は咳込みながらこう答えた。

隆也「…あぁ、ゴホッ!!なにもかも…ムカつく…」

ハーツは襟を正しながらこう言った。

ハーツ「…申し訳ないと思いながらも一部始終を見させて貰った。…力が欲しいとは思わないか?」

隆也は曇りの空を見上げてこう返した。

隆也「…今そう思った…」

ハーツ「私について来る気があるならその方法を教えても構わんが…」

隆也は震えながら右手を差し出した。

隆也「…あ…新手の詐欺じゃねぇだろなぁ…」

ハーツの口元に笑みが零れた。

ハーツ「当然だ」

その瞬間、お互いに差し出した手をしっかりと握りしめた。


結奈は綾香を自宅マンションに招き入れていた。
このマンションのオーナーは結奈の両親であり、女性専用マンションでもある。
結奈は最低限度の光熱費で抑えるという条件で部屋をただで与えられている。

結奈「綾香落ち着いた? これ今作ったから飲んで」

結奈はホットココアを綾香に渡すとガラステーブルを挟んで綾香とは反対側の位置に座った。

結奈は履いているジャージの裾を気にしながら綾香に話しかけた。

結奈「…何があったか話してくれる?私、隆也がぶったところしか知らないから」

綾香「…うん…」

綾香は龍雅と共にZ県に行った所から隆也が暴走するところまでを全て話した。

結奈「…そっかぁ、でも綾香も悪いよ。そうゆう勘違いもされるし行動が行動だしね…。でも隆也の行動も無い…よね…」

二人は俯いた。

結奈「…私ね、今までずっと隆也に『綾香と別れるから付き合ってくれ』って言われてたの。もちろん相手にしなかったけどみんなの関係壊れるのが嫌で…今まで言えなくてごめんね」

綾香「…あたしの方こそ黙ってどっか行ってごめん…」

しばらくの間、重たい沈黙が部屋を支配した。
その時であった、微かではあるが地響きの音が外から聞こえた。

結奈は不思議に思い、窓を空けてベランダに出た。

するとビルとビルの間から遠くではあるが巨大生物らしき陰を見つけた。

結奈はその姿に言葉も出なかった。

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