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生まれてきた意味?

[206]  紗理奈  2007-04-03投稿
本家は栃木県。

早く行きたいと思う反面、現実を目の当たりにするのが怖かった…。
道は空いていた…。
本家はだだっ広い田んぼのど真ん中にある。100m先からでも大きすぎる屋敷だ。

後5分で着く。
震える…。体が言うことを聞かない…。
だだっ広い田んぼの道に入った。屋敷が見えた。

ブルーシートが張られている。
到着。
着いた…
着いたが…車から降りれない…。
ガレッジには父の車がある。
子供達は『ジィジは?あっジィジの車あるょ〜』と無邪気過ぎる程だ。

警察官が数名。第一発見者の兄が事情聴取されている。『ママ〜おまわりさん〜』

私は子供達を抱き締めた…
可哀想なんて意味ではなく…私が消えてしまいそうな脱力感に襲われたからだ。

抱き締めて居ないと、命に触れて居ないとどうにかなってしまいそうだった…

父が死んだ…
私が23歳の時…父は51歳だった。
首を吊り、自らの命を自らの手で断った…。

父は、兄に発見されるまで真夏にはサウナ状態になるガレッジに居た事になるらしい。

死亡時刻は正午0時。
発見時刻は午前3時。
約15時間だ…。

胸のポケットにはタバコ。
ズボンのポケットには車の鍵と携帯。
携帯の待受画面は私の子供。

出掛けようとする父に魔が差したのか…
あちらの世界に持って行きたいと思ったのか…

父に聞いてみないと分からない…

私は父が逝った縄を見つめていた。

硬直の始まっていた父の遺体はすでに葬儀場に移されていた。
続く…

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