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言い知れぬ恐怖 前編

[547]  のえる  2007-04-03投稿
これは日曜のある朝、僕がベッドから起き上がろうとした時の話しだ。

朝の光がカーテンの隙間から漏れていて僕は深い眠りから覚めようとしていた。

しかし…
まぶたが開かないのだ。

「なんだ!どうしてまぶたが開かないんだ!!」

僕はパニックになり、思わず大きな声で母を呼んでいた。

母は慌てて僕の部屋に入ってきて、「どうしたの!?」と聞いてきた。

「まぶたが開かないんだ!!」と僕は震えながら母に伝えた。

すると母は笑いながら「あらやだぁ。まぶたの開け方忘れちゃったのね。今ホットミルクでも作ってくるからゆっくり思い出すのを待ちなさい。」と言い残し部屋を出て行った。

まぶたの開け方を忘れる…??どういうことだ!?

僕はさっぱり意味が分からなかった。笑いまじりの母の態度にも腹が立ってきた。

少し経つと母はホットミルクを持ってきてくれた。
「よくこういうことはあるのよ。お父さんもこの前喋り方を忘れたし、お隣りさんは笑い方、お母さんも口の開け方を忘れたの。でも体が思い出せば大丈夫よ。」と坦々と話してきた。

そんなことがあるんだろうか……?

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