フェニックス 27
グリトニル宮殿の門のところで騎馬を降りるフィン。そこに門番している若い騎士が一名やって来る。
フィンの前に来ると若い騎士はピシッと背筋を伸ばす。
「フィン総隊長!遠征から戻ってこられたのですね」
「あぁ。数時間前に着いたばかりだ。首都の状況はどうなっている?」
一度両足を揃え直す若い騎士。
「ハッ!首都には多数のモンスターが侵入してきましたが、大多数は北西部周辺の守備についた者によって駆逐され、グリトニル宮殿周辺に来たモンスターは極少数。それらも、我々グリトニル宮殿周辺担当の守備隊が駆逐しました。現在は首都全域においてモンスターは駆逐され、新たな侵入も確認されておりません」
「そうか。分かった」
「ハッ!」
若い騎士はふと浮かんだ疑問をフィンに問いかけた。
「しかし、総隊長は前線に居られると聞いていましたが…。もしかして、前線で何かあったのですか!?」
心配そうな顔で問う若い騎士に、フィンは普段どおりの口調で答える。
「いや、何も起こらないからこっちに来た」
すると、キョトンとした顔になる若い騎士。
「ハ?ハァ…」
「今後も引き続き警戒を頼む」
そう言うと
「ハイ!了解しました!」
キリッとした顔に戻り威勢よく返事をする。
そして、フィンはそのまま奥に進み宮殿の中へと入っていく。
「少し宮殿内を見回るか。随分と遅い時間だから陛下への謁見は明日でいいだろう」
フィンは階段を登り、二階の大広間に着いた時だった。
「何だ…。これは…?」
突如、押し潰されそうな強大なプレッシャーがフィンを襲う。
「どうやら、この近くにありそうね」
スーッと、フィンの目の前に一人の女性が現れる。
冷ややかな瞳に長く赤い髪、病的なまでに白い肌。
「リアファルっていう石を探しているんだけど、貴方知らない?」
「リアファル?それが目的か。しかし、例え知っていたとしたもクロノスなどに教える義理は無い!」
「あら残念。それと、私の名前はクロノスじゃなくてネヴィン」
ネヴィンと名乗ったクロノスは、誘うような銀の瞳でフィンの赤い瞳を見る。
フィンの気分は高揚し、意識が徐々に遠のいていく。
「ハァァ!」
辺りに響き渡る雄叫びと共に、フィンは意識を現実に引き戻す。
「私のチャームを破るなんて、少しは見所がありそうな人間ね」
「ネヴィン。お前に教えておいてやる。俺の名前は人間じゃなくて、フィンだ!」
フィンの前に来ると若い騎士はピシッと背筋を伸ばす。
「フィン総隊長!遠征から戻ってこられたのですね」
「あぁ。数時間前に着いたばかりだ。首都の状況はどうなっている?」
一度両足を揃え直す若い騎士。
「ハッ!首都には多数のモンスターが侵入してきましたが、大多数は北西部周辺の守備についた者によって駆逐され、グリトニル宮殿周辺に来たモンスターは極少数。それらも、我々グリトニル宮殿周辺担当の守備隊が駆逐しました。現在は首都全域においてモンスターは駆逐され、新たな侵入も確認されておりません」
「そうか。分かった」
「ハッ!」
若い騎士はふと浮かんだ疑問をフィンに問いかけた。
「しかし、総隊長は前線に居られると聞いていましたが…。もしかして、前線で何かあったのですか!?」
心配そうな顔で問う若い騎士に、フィンは普段どおりの口調で答える。
「いや、何も起こらないからこっちに来た」
すると、キョトンとした顔になる若い騎士。
「ハ?ハァ…」
「今後も引き続き警戒を頼む」
そう言うと
「ハイ!了解しました!」
キリッとした顔に戻り威勢よく返事をする。
そして、フィンはそのまま奥に進み宮殿の中へと入っていく。
「少し宮殿内を見回るか。随分と遅い時間だから陛下への謁見は明日でいいだろう」
フィンは階段を登り、二階の大広間に着いた時だった。
「何だ…。これは…?」
突如、押し潰されそうな強大なプレッシャーがフィンを襲う。
「どうやら、この近くにありそうね」
スーッと、フィンの目の前に一人の女性が現れる。
冷ややかな瞳に長く赤い髪、病的なまでに白い肌。
「リアファルっていう石を探しているんだけど、貴方知らない?」
「リアファル?それが目的か。しかし、例え知っていたとしたもクロノスなどに教える義理は無い!」
「あら残念。それと、私の名前はクロノスじゃなくてネヴィン」
ネヴィンと名乗ったクロノスは、誘うような銀の瞳でフィンの赤い瞳を見る。
フィンの気分は高揚し、意識が徐々に遠のいていく。
「ハァァ!」
辺りに響き渡る雄叫びと共に、フィンは意識を現実に引き戻す。
「私のチャームを破るなんて、少しは見所がありそうな人間ね」
「ネヴィン。お前に教えておいてやる。俺の名前は人間じゃなくて、フィンだ!」
感想
- 6735: おもろいです [2011-01-16]