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ある恋人たちの一日

[364]  ライラライ  2006-01-31投稿
吹き荒れる風。
打ち付ける雨。
世間はクリスマスだというのに、なぜ僕は雨に打たれ、風に吹かれ、独りぼっちでこんなところにいるのか。理由はわかっている。わかっているのだが・・・

本当は普通に、それこそどこにでもいるカップルのようにこの聖夜を彼女と過ごすはずだった。

それなのに。

理由は簡単。喧嘩をしたからだ。たわいもない喧嘩。

買い物に行きたい彼女。

めんどくさい俺。

いつもなら彼女が折れる。でもやっぱり今日はクリスマスのせいか、一向に折れるそぶりすらみせない。よせばいいのに僕は思ってもない言葉で意地を張り通した。結果、彼女は怒り、僕は独りぼっち。

もう顔も見たくない。

声も聞きたくない。

そのはずなのに・・・

ずっと彼女からの連絡を待ってる。

謝ろうかな、いや、向こうが何か言ってくるまでこちらからは何もコンタクトはとらない!!

そんな決意とは裏腹に会いたい気持ちだけが募ってくる。

ああ、やっぱり惚れてんだ、あいつに。

一言、謝ろう。まだプレゼントも渡してない。

そして、もう一回この聖夜をやりなおそう。手をつないで、買い物をして、キスをして・・・

雨はやみ、その代わりなのか雪が降り始める。

携帯から彼女の番号を呼び出し、通話ボタンを押す。

「なぁ、今日はごめん、もう一回クリスマスやり直そう」

返事の変わりに嗚咽が聞こえ・・・

僕は彼女の家に向かって駆け出した。

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