ヤス#26
ヤス#26
あれから、何度か御床島に出かけたが、サトリすら出て来なかった。夢を見ていたのかもしれないと思うようになっていた。
ヤスは御床島での出来事を親に話したが信じてもらえなかった。友人に至っては、馬鹿呼ばわりされる始末だった。それから、ヤスはその事には触れないようにした。
話しを戻す。
快晴であった。気温はグングン上昇しているが、この時季の海の水はまだ冷たい。
ヤスは海岸沿いの岩場を北の方向に歩いていった。ハヤトが先に行く。一時間程歩くと、大きな岩棚がある場所に着いた。そこで、膝まで水に浸かり、ヤドカリを集めた。勿論、釣りの餌である。
ハヤトはその辺で散策しているようだ。ヤスはほうっておいた。どうせ、遠くには行かないだろう。
ヤスは、ヤドカリの殻を石で割り、釣り針に付けると、糸を垂れた。この辺は、形の良いアラカブやクサビが釣れる。勿論、島のハナタレどもは来ない。ヤスだけの秘密の場所だった。遠くに無人島がある。芋島といって、ヤスはまだ、その島に渡った事が無い。いずれ、父か祖父に連れて行って貰おうと思っている。その島の浅瀬に白波が立っていた。
あれから、何度か御床島に出かけたが、サトリすら出て来なかった。夢を見ていたのかもしれないと思うようになっていた。
ヤスは御床島での出来事を親に話したが信じてもらえなかった。友人に至っては、馬鹿呼ばわりされる始末だった。それから、ヤスはその事には触れないようにした。
話しを戻す。
快晴であった。気温はグングン上昇しているが、この時季の海の水はまだ冷たい。
ヤスは海岸沿いの岩場を北の方向に歩いていった。ハヤトが先に行く。一時間程歩くと、大きな岩棚がある場所に着いた。そこで、膝まで水に浸かり、ヤドカリを集めた。勿論、釣りの餌である。
ハヤトはその辺で散策しているようだ。ヤスはほうっておいた。どうせ、遠くには行かないだろう。
ヤスは、ヤドカリの殻を石で割り、釣り針に付けると、糸を垂れた。この辺は、形の良いアラカブやクサビが釣れる。勿論、島のハナタレどもは来ない。ヤスだけの秘密の場所だった。遠くに無人島がある。芋島といって、ヤスはまだ、その島に渡った事が無い。いずれ、父か祖父に連れて行って貰おうと思っている。その島の浅瀬に白波が立っていた。
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