『王子様のススメ』 不条理に叫びましょ 2−?
「ん〜、皆さんがんばるねぇ♪」
まるで他人事のようにつぶやく騒ぎの張本人は、弟と同じ艶のある黒髪を頭の後ろで適当にくくった。
中途半端に伸びたそれはいつも第一王子である兄から「うっとおしい」と文句をつけられていたものだ
が、セデゥスはその中途半端さが気に入っていた。
彼が思うに、「兄さんは僕がもてるからおもしろくないんでしょ?」といったところだが、それは事実
当たっていたりする。
セデゥスは決して美青年ではなかった。それを言うなら弟のほうがよっぽど綺麗で整った顔をしている
し、兄のほうが男らしくもある。何度鏡を見たところで、映るのは平凡な青年の姿。
だが成人を過ぎても、彼が慈母神の再来と呼ばれるのは伊達ではない。どこか憂いを含んだその表情は
男女を問わず惹きつけ、神秘的な影を落とす。セデゥスが感情を露にして怒鳴るところなど誰も見たこ
とがない。
だからして卒兵達の間で必ず囁かれるのが彼の噂だ。いわく、「慈愛の佳人」だそうだ。
まぁ、弟や兄に言わせれば「騙されてる」の一言であろうが。
「さぁて、どうしたもんかな」
ぺろりと唇を舐めると、慈愛の佳人とやらは、自分の置かれている現状にどこか嬉しそうな笑みを洩ら
した。
まるで他人事のようにつぶやく騒ぎの張本人は、弟と同じ艶のある黒髪を頭の後ろで適当にくくった。
中途半端に伸びたそれはいつも第一王子である兄から「うっとおしい」と文句をつけられていたものだ
が、セデゥスはその中途半端さが気に入っていた。
彼が思うに、「兄さんは僕がもてるからおもしろくないんでしょ?」といったところだが、それは事実
当たっていたりする。
セデゥスは決して美青年ではなかった。それを言うなら弟のほうがよっぽど綺麗で整った顔をしている
し、兄のほうが男らしくもある。何度鏡を見たところで、映るのは平凡な青年の姿。
だが成人を過ぎても、彼が慈母神の再来と呼ばれるのは伊達ではない。どこか憂いを含んだその表情は
男女を問わず惹きつけ、神秘的な影を落とす。セデゥスが感情を露にして怒鳴るところなど誰も見たこ
とがない。
だからして卒兵達の間で必ず囁かれるのが彼の噂だ。いわく、「慈愛の佳人」だそうだ。
まぁ、弟や兄に言わせれば「騙されてる」の一言であろうが。
「さぁて、どうしたもんかな」
ぺろりと唇を舐めると、慈愛の佳人とやらは、自分の置かれている現状にどこか嬉しそうな笑みを洩ら
した。
感想
感想はありません。
「 燈司 」の携帯小説
- 【携帯版】多賀城[たがのき]の携帯サイトが完成しました。
- PC用小説サイト新設のお知らせ
- 「携帯小説!」がスマートフォンに対応しました
- 【状況報告】03/18の管理人現況
- 【ネット復活】更新再開
- 管理人です。
- サイトの新デザインを作ってみました。