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綺麗な涙【?潜む影】

[390]  ピアニッシモ  2006-02-02投稿
私と彼がキスをした日から、一ヵ月がたった朝。
私はいつもと同じように学校へ向かった。
でも、少し違う。いつも一緒に歩いている健司がいないのだ。
【ごめん。今θ、休むから一人で行って。】とメールがきたけど、少し寂しい。でも大丈夫。私には健司からもらった指輪がついてるから・・・。

その日は私にとって何ともない一日だった。けど、彼にとっては辛い一日だったのだ。
それに気付いてあげたかった。
でもそれはあの時の私にはできないけとだった。
けど・・・ごめんね、健司・・・。

次の日からはちゃんと彼は学校に来た。 私が昨日なんで休んだのか聞くと、妙に真剣で、苦しそうに言った。
『みぃ、よく聞いて。』
私はとても不安になった。なんで、こんなに真剣なの?と。
でも、彼はそんな私を見つめて、いきなりニコッと笑い、 『風邪。だから病院に行ってたんだ。』
と言った。
その時、私はつられて笑ってしまった。
まだ胸に残る不安を消し去ろうとするように・・・。
この不安が消えかけたある日。
その日は待ち合わせ場所に彼が来なかった。連絡はない。学校にも来ていなかった。
どうしたんだろう?と思っているとHRが始まった。
『え〜。最初に言っとくが健司は今θの朝、倒れて病院に運ばれたらしい。』
た お れ た ・・・?頭が真っ白になった。『どこの病院ですか?』
と誰かが聞くと
『第一中央病院だ。』と先生が答えた。
それを聞くと、私は真っ先に教室を出た。先生が私に何か言っていたけど気にならなかった。
健司に会いたい、
それだけだった。

303号室。この病室に健司はいた。
入ると中にいたおばさんが
『あなたがみぃちゃん?』
と私に言った。
『はい。』
『私は健司の母です。あなたの事はよく聞いていたの。
来てくれてありがとう。でも授業中よね?』忘れてた。でも授業より、彼の方が大事。
『そうなんですが、私は健司の方が大事です。』
そう言うと、
『よかった。あなたが健司の彼女で。あの子も幸せ者ね。ゆっくりしていって。』
と言って、病室を出ていった。
心がほんのり暖かかった。

健司が意識を取り戻したのはそれから何時間かたってから。
目を開けた彼を見て彼に話しかけた。 彼は私を見つめて言った。忘れられない、悲しい言葉を。
『お前、だれだ・・・?』


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