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約束の場所へ 序章 再会?

[206]  森山  2007-04-07投稿
青と蒼。
目の前にはそんな色が広がっていた。

季節は夏…
海岸沿いの道に出てしばらく走ると
急に道幅が狭くなり
道の状態も急に悪くなった。

手探りで適当にMDを取り出すと
そのままオーディオへと入れた
間もなく聞き覚えのある曲が
スピーカーから流れ始める。

思っていた以上に
道の状態は悪くなっていた。

他に走る車も無ければ
改装工事がされることもなく
年月を経ている証拠だ…

利用されることもなく
ただ存在するだけの道を
俺は車を走らせた。

オーディオから流れる曲の
5曲目だった…

イントロが聞こえた瞬間
不思議な感覚が体中を駆け巡った
懐かしさ…愛しさ…切なさ…悲しさ…
何とも言い難いその感覚は
俺の思考から他の事を考える余裕を
いとも簡単に奪い去った。

聴かずに飛ばしてしまおう…
そう思って手をのばす
が俺の中に微かに残った何かが
それを否定した。

ひと時も忘れた事は無かった
5年間…俺は耐えて来た

約束を守るため
そして、新しいスタートを切るために

それが何もない世界から
俺を救ってくれた彼女へのせめてもの罪滅ぼしだと…
そう考えていた。

周りの景色に目をやってみる
もう近いはずだ。

間もなくして海岸線の先に
大きく海へ迫り出した岬が見えてきた。

車を止め外に出ると
そこは実感の無かった真夏そのものだった。

真っ白な日差し
風に揺れる緑
耳には蝉の鳴き声と岸壁に打ち寄せる波の音

周りを見渡すと
水平線や入道曇…
視界の果てにはどこかの街が
遠く光って蜃気楼のように見えていた。

何もしていないのに
肌が汗ばみ始める…
俺は車の元を離れ
本当の目的地へ向かった。

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