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暗闇の中に〜2〜

[396]  ハラッパ  2007-04-07投稿
人は愛により育まれ、声と体、そして名前を授かる。

それは当たり前のことで、誰もが知っていること。


俺の声と体はここに存在している。

「俺の名前が分からない。」

ふと気付けば、俺は部屋の中を探しまわっていた。
部屋と言っても、ベッドにテーブルと棚しか無いみすぼらしい部屋だ。探すところは限られる。

「無い…どこにも無い!!」
俺の名前を証明する物は部屋から出てこなかった。

「俺は誰なんだ、俺は……。」

家族に電話をしようにも、数年前に他界している。

知り合いとは、ここ数年話してさえいない。

そもそも、電話が無いのだ。連絡の取りようが無い。


焦りとは裏腹に刻々と時間だけが過ぎていった。












疲れて寝てしまったのだろうか、また夢の…闇の中にいた。

夢なのは分かっている。しかし、この不安感だけは拭えない。


「       」

やはり、言葉は無意味であった。

しかし、感覚だけはあった。
手や足が自分の意志で動く感覚。全身に何かがまとわりついているような感覚。ミミズのように体を這いずりまわってる不快感。

いつもと違う夢なのだが、真っ暗な闇の前では恐怖しか出ない…。

触覚は、何も教えてくれないのだな…と切に感じた。



感想

  • 6828: 発想は面白いんだけど、【俺は誰なんだ…】と言いながら 家族が他界してるのを知っているって言う事は・・??でも読むよ〜ん? [2011-01-16]

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