―僕の事情― 4
もう一つ溜め息をつき、俯きながら呟く。
「…アイツ何て返事したんだろう。」
「アイツって?」
「そりゃもちろん……って、えっ!?」
僕は驚いて顔をあげた。
部屋には僕しかいないはずなのに僕以外の声が聞こえたからだ。
「アイツって誰?つか涼まだ布団から出てないのか?遅刻するぞ?」
問題の“アイツ”が腕を組んで僕の部屋のドアにもたれかかって話し掛けてきた。
「か、海斗!!何でここにいるんだよ!?」
「何でって…いつも一緒に学校行ってるじゃん。家の前で待ってたのに全然来る気配ねぇからわざわざ迎えに来てやったんじゃんか。」
そう言いながら海斗は僕に近づいてきた。
「そうじゃない!鍵閉めてたのにどうやって家の中に入ったんだよ!?つか、いちいち来なくても先に行けばいいじゃないか!」
僕は海斗の顔をまともに見れず、布団を握りしめている自分の手を見ながら思わず叫んだ。
「何怒ってんの?」
近づいてきた海斗は僕の顔を覗き込んだ。
「?別に!!僕今日は学校行かないから。」
顔を覗き込まれ、恥ずかしくなった僕は海斗のいる反対側に顔を背けた。
本当はこれ以上近づかれると我慢できなくなってしまいそうだったからだけど。
「学校行かないってどういう事だよ?どっか具合悪いのか?」
そう言って海斗は僕の額に手を当てて
「熱はねぇみたいだけど…どっか痛いのか?」
だって…。
僕の気も知らないで。
確かに痛いよ、心臓が。
僕はこれ以上この状況に耐えきれる自身がなくて、つい怒鳴ってしまっていた。
「とにかく僕は休むから一人で行ってよ!!勝手に部屋まで入ってくるなんて迷惑だ!」
「……わかったよ。勝手に入って悪かった。」
静かにそう言って海斗は部屋を出ていった。
言ってから僕は後悔した。これじゃ八つ当りだ。
僕は悔しくて布団にもぐった。
家の玄関扉がバタンと静かに閉まった音が二階の僕の部屋まで聞こえた。
「…アイツ何て返事したんだろう。」
「アイツって?」
「そりゃもちろん……って、えっ!?」
僕は驚いて顔をあげた。
部屋には僕しかいないはずなのに僕以外の声が聞こえたからだ。
「アイツって誰?つか涼まだ布団から出てないのか?遅刻するぞ?」
問題の“アイツ”が腕を組んで僕の部屋のドアにもたれかかって話し掛けてきた。
「か、海斗!!何でここにいるんだよ!?」
「何でって…いつも一緒に学校行ってるじゃん。家の前で待ってたのに全然来る気配ねぇからわざわざ迎えに来てやったんじゃんか。」
そう言いながら海斗は僕に近づいてきた。
「そうじゃない!鍵閉めてたのにどうやって家の中に入ったんだよ!?つか、いちいち来なくても先に行けばいいじゃないか!」
僕は海斗の顔をまともに見れず、布団を握りしめている自分の手を見ながら思わず叫んだ。
「何怒ってんの?」
近づいてきた海斗は僕の顔を覗き込んだ。
「?別に!!僕今日は学校行かないから。」
顔を覗き込まれ、恥ずかしくなった僕は海斗のいる反対側に顔を背けた。
本当はこれ以上近づかれると我慢できなくなってしまいそうだったからだけど。
「学校行かないってどういう事だよ?どっか具合悪いのか?」
そう言って海斗は僕の額に手を当てて
「熱はねぇみたいだけど…どっか痛いのか?」
だって…。
僕の気も知らないで。
確かに痛いよ、心臓が。
僕はこれ以上この状況に耐えきれる自身がなくて、つい怒鳴ってしまっていた。
「とにかく僕は休むから一人で行ってよ!!勝手に部屋まで入ってくるなんて迷惑だ!」
「……わかったよ。勝手に入って悪かった。」
静かにそう言って海斗は部屋を出ていった。
言ってから僕は後悔した。これじゃ八つ当りだ。
僕は悔しくて布団にもぐった。
家の玄関扉がバタンと静かに閉まった音が二階の僕の部屋まで聞こえた。
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