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自殺自演、、〔八曲〕

[459]  ホッチ  2007-04-09投稿
植物達に飲み込まれそうな空間、、場違いな机がひっそりと。

「こんなこと書いてたんだ、、」

!!、、彼に目線を移し、、
「なぜ、それをわざわざCDに、、?」彼は静かに、、

「僕は自殺しようと思ったんだよ、、これは遺書的なものでね。ただ面白半分で入れただけだよ。」

、、本当にそれだけの理由なのか?
やはり初対面の私などに真実を語ってくれるわけがないか、、。

もう一口珈琲をすすり、それならばと、私の素性を聞いてもらうことにした。

自分のことをさらけ出せば、何かはなしてくれるかもしれない、、



珈琲はあと一口分を残し冷えきり、彼は何も言わず私の話に耳を傾けてくれている。

簡潔どころか小一時間経っているのでは?と、時計を探すがそれらしき器具は見当たらず。結局洗いざらい悩みを話してしまった、、。

話の最後になぜ自殺を考えたか、彼に聞いてみた。

「君には好きな人がいるかい?」

、、?、、「父」と答える。

どうやら違うらしい、、恋人がいるかどうか聞きたかったようだ。
今まで彼氏が欲しいなど考えたこともなかった、、「いない」と答える。

「僕はね、その大好きな人に振られてしまったんだ、、突然。
君がもしお父さんに捨てられたらどう思う?」

、、想像してみた、、。
とても胸が苦しく、痛みを伴なった。

「苦しいだろ?
だからその辛さから逃げようと思った、、でも、死ぬ勇気がなかった、、ただそれだけのこと。」

彼はうつ向き肩を震わせる、、私はどうすることも出来ず、ただ時間は流れて行く、、風のない室内で草木も沈黙し、私達人間を哀れんでいる。

葉の隙間からオレンジの光が差し込み始め、夕から夜にさしかかろうと太陽は優雅に落ちていくとき、、。

あっ!!、、夕食の支度、、
無言の彼、、帰らなければ、、立ち上がろうとしたとき、彼は囁く、、。

「紙に質問とその答えが書いてある所、君なら何て答えるかな?」

うつ向いたまま質問される私、、何か意味があるのだろうか?

内容を思い返し言葉に迷う、、あれっ、、?

突然急激な眠気が、、なんで?おかしい、、意識が保てない、、、まさかすい、み、ん、、、や、く、、?

「ごめんな、、」
彼の声、、。

倒れる寸前、、部屋のドアが開く音がした、、。

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