携帯小説!(PC版)

トップページ >> SF >> 航宙機動部隊45

航宙機動部隊45

[683]  まっかつ  2007-04-09投稿
どの道内容は同じ筈だ。
情報収集の一貫で予約したパレオス星邦のニュース番組の即時ダウンロード版が届いた知らせだったのだから。
いち早くテンペが自分のパネルカードを懐から取り出し、リクのは確認キーを押して着信音を沈黙させられた。
開かれた平面ホロ映像には先ず《パレオシズ=タイムズ》のタイトル標示が目一杯に広がり―\r
『速報です。新年を迎えた我が星がこれまでにない異常な事態に襲われています』
続いて映じた男性キャスターはいきなり深刻そうな表情で前置きしてから、すぐに左隣の女性アナウンサーの上身アップにカットが切り替わった。
『当星邦救援に来た合衆国連合艦隊、通称《グランドフリート》に属する星間諸侯太子党達が、当局に無断で航宙艇等を駆って惑星に降り立ち、未成年者を中心に多数の我が星民を拉致し、大気圏外へと連れ去っている事実が今しがた判明しました』
余りの知らせに、二人は空いた口が塞がらなくなってしまった。
更に画像は次々と、拉致を強行したと思われるのと同型の汎用航宙艇・拉致現場とされる夜間の芝生・行方不明と考えられる少年少女の顔写真と差し換えられ―\r
『現在三三名が被害にあった模様で、他に現場付近で複数の女性が暴行を受けたとの通報があり、事件の関連性を含めて地元警察は捜査に入りました』
緊張した声の女性アナウンサーの説明がそのまま流れた。
再び男性キャスターのアップに戻り―\r
『パレオス中央政府は直に連合艦隊に厳重な抗議を行う決定を下し、又、官憲側は特別捜査本部を設置し、被害者の救出と容疑者の逮捕に当たる模様です…いま、捜査本部の緊急記者会見が始まりました』
大勢の記者団で埋め尽された司法省らしき建物の正面玄関が出てきた。
この星では深夜に当たる時間帯の筈だが、目一杯にたかれた室内からの照明が、特徴的なクリスタル硝子張りの壁面に映えまくって、その界隈は真っ昼間と化していた。
『これは小児性愛を目的とした計画的犯行である。早急に容疑者を捕えて我が星邦の法で裁く』
記者団の中央に立ったアルフォンソ=グエラ=ピビカンリーノ本部長の声明は峻厳さに満ちた物だった。
(大変な事になったな)
リクは心で慨嘆した。
パレオス星民と最外縁征討軍の絆が太子党のせいで崩壊の危機に陥ろうとしている。
その時、再び着信が入った。
今度はリク一人宛てだった。

感想

感想はありません。

「 まっかつ 」の携帯小説

SFの新着携帯小説

サーバ維持用カンパお願いします。
WebMoney ぷちカンパ

Twitterで管理人をフォローする

利用規約 - サイトマップ - 運営団体
© TagajoTown 管理人のメールアドレス