ずっと、遠くへ。3−2
「よし、終了。」
健治は一息つくとMDから流れる曲を自分の一番好きな曲にかえた。
「あ…。」
由希が声を上げた。
「ん?どうした?」
「この曲…知ってる。」
正直意外だった。この曲、[Standard Infinity]の[far away]は健治がまだ10才に満たないときのものだ。健治も知ったのは2年くらい前である。同級生にも知ってるヤツはほとんどいないのに…。
「どこで聞いたの?」
「えっと、ちょっとあって…。けど…今まで聞いた中で一番好きな曲なの。」
「そうか。俺も一番好きなんだよ。この曲。」
「お兄ちゃんも?」
由希も意外だったらしく目を丸くしている。
「あぁ、この曲をやりたくてギター始めたんだからな。弾いてやろうか?」
「ホント?」
ここに初めて来たときより由希の表情も声もやわらかくなってきた。だがまだちょっと暗い感じだ。
「んじゃ準備するからまっててな。」
健治は軽く微笑むとギターとアンプを取り出す。
音量を調節し、弾き始める。前奏が終わり健治が歌い始める。いよいよサビに入るところで、
「健ちゃん!もう夜中なんだからやめなさい!」
いきなりドアが開き、母が一喝。そして由希にも。
「由希ちゃんも早く寝ないとだめよ。」
そういって母は部屋からでていく。
「…怒られちまったな。いいとこだったのに。続きはまた今度な?」
その時。
「ふふっ、うん!」
由希に笑顔が戻った。
「…やっと笑ってくれたな。由希。」
「あ…。」
本人も無意識のうちに笑ったのだろう。健治は由希の隣に座る。すると由希が照れ臭そうに言った。
「お兄ちゃんのおかげだよ。あの曲、昔お父さんに聞かせてもらったの。お父さんも大好きだって言ってた。それをお兄ちゃんも好きだって言ってくれたから嬉しくて。」
「そっか。まぁよかったよ。元気になってくれて。」 「うん。ごめんね。それと…ありがとう。」
健治は一息つくとMDから流れる曲を自分の一番好きな曲にかえた。
「あ…。」
由希が声を上げた。
「ん?どうした?」
「この曲…知ってる。」
正直意外だった。この曲、[Standard Infinity]の[far away]は健治がまだ10才に満たないときのものだ。健治も知ったのは2年くらい前である。同級生にも知ってるヤツはほとんどいないのに…。
「どこで聞いたの?」
「えっと、ちょっとあって…。けど…今まで聞いた中で一番好きな曲なの。」
「そうか。俺も一番好きなんだよ。この曲。」
「お兄ちゃんも?」
由希も意外だったらしく目を丸くしている。
「あぁ、この曲をやりたくてギター始めたんだからな。弾いてやろうか?」
「ホント?」
ここに初めて来たときより由希の表情も声もやわらかくなってきた。だがまだちょっと暗い感じだ。
「んじゃ準備するからまっててな。」
健治は軽く微笑むとギターとアンプを取り出す。
音量を調節し、弾き始める。前奏が終わり健治が歌い始める。いよいよサビに入るところで、
「健ちゃん!もう夜中なんだからやめなさい!」
いきなりドアが開き、母が一喝。そして由希にも。
「由希ちゃんも早く寝ないとだめよ。」
そういって母は部屋からでていく。
「…怒られちまったな。いいとこだったのに。続きはまた今度な?」
その時。
「ふふっ、うん!」
由希に笑顔が戻った。
「…やっと笑ってくれたな。由希。」
「あ…。」
本人も無意識のうちに笑ったのだろう。健治は由希の隣に座る。すると由希が照れ臭そうに言った。
「お兄ちゃんのおかげだよ。あの曲、昔お父さんに聞かせてもらったの。お父さんも大好きだって言ってた。それをお兄ちゃんも好きだって言ってくれたから嬉しくて。」
「そっか。まぁよかったよ。元気になってくれて。」 「うん。ごめんね。それと…ありがとう。」
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