HERO 14
「すいません、ちょっと車に酔ったので、外に出ていいですか?」
「ああ、いいよ。」
健次が外に出てると、村田も外に出て来た。なんでこんなにも上手く事が運ぶのか、不思議なぐらい健次の計画は順調だった。
「俺タバコ吸ってるから、酔い治まったらいってね〜」
村田が後を向いた、チャンスだ。健次は家で用意したゴム手袋をはめ、村田に近付いた。人を気絶させる方法をサイトで見つけていた健次は、後ろから村田の頚椎に向かって手刀を振り下ろす。
「バキッ!」
完璧に入った...と思ったが村田は、
「アイタタタ〜!何するんだよ〜」
「おかしい、完璧に入ってたはずだ!」
「不思議かい?」
村田が笑い始めた、
「これな〜んだ?」
なんと、村田が胸ポケットから健次が持っているのと同じ人形が出てきた!健次はすぐさま自分の人形を取り出し確認したが、人形はちゃんとある。
「これは売り物だろ?僕が持っていてもおかしくないだろ〜?」
「くそ!人形の存在を知っていたからこそ俺を疑ってたんだな!」
健次は焦り始めた、同じ人形を持つ物同士以上、どっちが勝つか分からない。
「健次君の計画は、唯一君を疑っている俺を誰にもばれないように、人気のない所に誘い出し、気絶させて死体を隠すって感じかな〜?まあ、うすうす分かっていたからわざわざこんな所まで来たんだけどね。ご丁寧に今度は手袋まで用意して、ちょっとは学んだみたいだね〜」
「うるさい!俺がこの世のHEROだ!ダメな警察の変わりに俺がこの世の悪を裁く!」
「すっかりHERO気取りだな、ふざけるなガキが!」
村田の表情が一変した、
「自分の身を守るだけのタメに使えばよかった物を、調子に乗りやがって!」
健次は臆していた、だがここで殺される分けにはいかない。ありったけの勇気を振り絞り、健次は身構えた。
「健次君、身構える必要はない、この人形の説明は聞いてないのかい?」
「俺は死んだクラスメイトからもらったんだ!説明なんか知らない!」
「そうか...なら教えよう、この人形を使うにあたって一つのルールがあるんだ、それはだな...
【悪事のために力を使ったらいけない】って事。用するに、この力で悪い事はするなという話しだ。」
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