HERO 最終話
「それがどうかしたか!?俺は悪事の為にこの力を使ってないぞ!俺が倒して来た奴らはみんな悪い奴だ!」
村田は吸いかけのタバコを捨てて健次にいった
「そうだね、今までの奴らはね...だが今君はその力で誰を殴った?」
健次の顔がみるみる青ざめていく、
「俺は悪人じゃない、むしろ仕事も警察という立派な正義を守る仕事だ」
「もし、ルールを破ったらどうなるんですか!?」
「死ぬよ...残念だけど」
「嫌だ!死にたくない!お願いです!助けて下さい!」
健次は必死に村田にしがみつく。もみ合っているうちに、健次の人形がどんどん大きくなって来た。やがてはほぼ人型になり健次の腕を掴む、
「健次君、残念だ、さようなら」
「嫌だ、死にたくない!俺は悪い事はしていない!」
人形の腕が健次の心臓を貫く、健次は薄れゆく意識のなかで呟いた、
「俺がこの世のHEROだ..」
「残念だ...」
村田が健次をみとった後、人形が村田に向かって喋り出した。
「いつまでこんな事をするのですか?」
村田が新たにタバコに火をつけた、
「さあな〜もうこいつで何人目になる?」
「今回で44人目です」
「ありゃ?それは縁起が悪かったね〜」
「本当に本質が善の人間なんていると思いますか?」
「そいつを見つける為にやってるんじゃないか〜!力に溺れず、本当に善良な心持つ奴を見つけるまでは実験は続けるぞ。」
「分かりました、マスター」
人形はみるみる縮んで元のサイズになった。村田は健次の死体には目もくれず、車で走り去った。
人間の多くは善良な人だと思う、しかしそれは幼い事からの教育の中で無理矢理覚えさせられた「善」であるのではないか?ゆえに、力(腕力、権力、財力)に溺れた人間は崩れやすい。人間の本質は「善」か「悪」か?あなたはどちらだと思いますか?
感想
- 6758: よくよく読んだらホラーじゃないですね、すみません。小説を初めて書きました、感想頂けたらうれしいです。 [2011-01-16]
- 6759: 10と11を改めて投稿し直しました。すいませんでした [2011-01-16]
- 6768: 最初、淡々とした文章に見えたんだけど、無駄な言葉が無く、絵が浮かんで来て面白かったです。 確かにアクションの色は強かったですが… 最後まで楽しめましたよ! サト [2011-01-16]
- 6770: サトさんありがとうございます!書いた者としてうれしいです! [2011-01-16]