ヤス#28
ヤス#28
人だ!人が死んでいる。背中を向け、折れるようにして横たわっていた。小さい。ヤスと同じくらいだから子どもだろう。
ヤスは怖くなった。怖くなって、その場から逃げ去りたかった。だが、人が死んでいるのだ。確かめて、島の大人達に知らせなくてはならない。辺りを見回したら身の丈ほどの細い流木があった。ヤスは、その流木を手に取ると、横たわる体をつついてみた。弾力がある。ヤスは首をかしげた。そして、今度は、大きくつついてみる。「う…うう…」
ヤスは失禁しそうだった。
「い、生きているのか?…おい!…どうした!大丈夫か!」
「う…ううううっ」
どうやら生きているらしい。
「おい!大丈夫なのか?」
死体だと思ったものがゆっくりと起き上がった。まだ、背中を向けたままだ。黒髪が腰まであり、濡れて光っている。薄気味悪い。
生き物がゆっくりと振りむいた。ヤスは鳥肌を立てている。全身が粟立つ思いだった。流木を剣のように構えていた。ヤスは絶叫をあげた。
「うっ、ぎゃー!」
振りむいたその姿は、人間ではなかった。
ヤスは去年の夏を思い出した。サトリだ。あの、サトリに似ている。だが、サトリよりも薄気味悪い面持ちをしている。
人だ!人が死んでいる。背中を向け、折れるようにして横たわっていた。小さい。ヤスと同じくらいだから子どもだろう。
ヤスは怖くなった。怖くなって、その場から逃げ去りたかった。だが、人が死んでいるのだ。確かめて、島の大人達に知らせなくてはならない。辺りを見回したら身の丈ほどの細い流木があった。ヤスは、その流木を手に取ると、横たわる体をつついてみた。弾力がある。ヤスは首をかしげた。そして、今度は、大きくつついてみる。「う…うう…」
ヤスは失禁しそうだった。
「い、生きているのか?…おい!…どうした!大丈夫か!」
「う…ううううっ」
どうやら生きているらしい。
「おい!大丈夫なのか?」
死体だと思ったものがゆっくりと起き上がった。まだ、背中を向けたままだ。黒髪が腰まであり、濡れて光っている。薄気味悪い。
生き物がゆっくりと振りむいた。ヤスは鳥肌を立てている。全身が粟立つ思いだった。流木を剣のように構えていた。ヤスは絶叫をあげた。
「うっ、ぎゃー!」
振りむいたその姿は、人間ではなかった。
ヤスは去年の夏を思い出した。サトリだ。あの、サトリに似ている。だが、サトリよりも薄気味悪い面持ちをしている。
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