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クリスマスの夜にサヨナラを 第10夜

[361]  春日さくら  2007-04-09投稿
そして今、教室の中でまた3人は出会ってしまった。タクちゃんは元カレ…。タカは今カレ…。本当ならば私はタカに駆け寄って『タクちゃんは遊びに来ただけ……。』って言い訳をしたい。でも足が動かない…。さっきの先輩への恐怖と…いきなりのタクちゃんとタカの過去の争い…。私はタカが好き…大好き…。さっきもそう確かめあった。なのに…。
沈黙が続く中、タクちゃんが口を開いた。
「華はどっちが好きなの……?」
「えっ…!!」
いきなりそんな事言われても……。2人とはいっぱいの思い出があるし…。タクちゃんは私が初めて心から愛した人…。タカは一緒になんでも乗り越えて、辛い時や悲しい時はお互いに支え合ってきた…。そんな2人をどっちかなんて選べない…。
「…2人とも、ずっと一緒にいた仲間だし、選べないよ…。」
嘘をついた。
多分…自分自身でもわからないけど…私の心はタクちゃんに向いている。やっぱりタカは友達だと思う。だから………。「…ふぅ。」
タカがため息をついた。
「…俺…諦める。華の心がタクに向いてるの…わかってる。やっぱり俺じゃかなわねぇや…。」
そう言ってタカはハハっと笑った。その顔は…悲しげな笑顔だった…。
そしてタカは走った。逃げるように…。その背中をじっと私は見つめていた…。

その次の日。タカは学校に来なかった。その次の日もその次の次の日も……タカは来なかった…。

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