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ハルのアメ

[510]  ゅら  2007-04-10投稿
火曜日am3:28。煙草くゆらせながら湯舟につかって、体にかかった湯が肌の上で弾け、流れ落ちる滴を眺めながら考えていた。


季節は春。ここ数年で久しぶりに心にも春が訪れた。こんなにドキドキと心ときめいたのはいつ振りだろうか…‥

面倒くさがりの自分が、携帯を常にチェックしている。お気に入りの着信メロディが鳴るたび、急いでメールを開いては顔がにやけてしまっていた。

某サイトで知り合った4歳年上の彼はとても優しくしてくれた。
彼と仲良くなって以来、急に世界が輝いて見えた。

金曜のpm8:30。彼と食事する予定を取り付け、当日は待ち合わせ時刻の一時間も前に約束の場所に向かった。
気持ちが先走って、もう自分を押さえられない。

会ってから4時間。自分でも驚くほどはしゃいでいるのが分かった。
顔面から嬉しさが溢れて、笑顔を作ることがこんなに楽しい事だと、その時初めて知った。

その日は帰りたくなくて、彼と会って5時間程で体の関係を持ってしまった。


その後も、彼は今まで通り優しくて、彼から連絡がある度嬉しくて仕方がなかった。また会いたい…‥


月曜のam0:00。彼が会いに来てくれた。
嬉しくて子供の様にぴょんぴょん跳ねては喜び、彼の腕に抱きつく。

am2:00。二回目の体の関係。心が満たされていくのを感じた。
このまま全てが上手く行けばどんなに幸せか…‥


火曜am0:43。彼からのメールに返信して以来、連絡が途絶えた。
気になって、彼のブログにアクセスしてみる…‥


彼の初恋の人との話。
つい最近の出来事が長々と語られていた。


その瞬間、私から光が消えた…‥


こんなに上手く行くはず無いと、初めから分かっていたことなのに、気持ちを押さえられなかった自分に落胆した。


携帯を閉じ、煙草を立て続け二本吸った。
それから働かない頭でシャワーを浴びた。

今はもう何も考えたくなかった。しばらく肌の上で弾け踊る水滴を見ていた。


火曜日am3:50。彼からの返信はない。湯船に使って四本目の煙草に火を着け大きく息を吸った。

光を与えてくれた彼が、好きだと言って褒めてくれた肌。
それが桜色に染まっていくのを無表情で見つめながら、五本目の煙草に火を着ける…‥

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