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涙―2

[483]  まきまき  2007-04-11投稿
私は、それから毎日のようにコンビニに寄った。
彼の笑顔が見たくて…
兄が死んでから、私はいつ笑ったのだろう。母の笑った顔も思い出せなくなっていた。
そんな私に、彼の笑顔はとても暖かかった。
「いつも寄ってくれるね。家、近いの?」彼が声をかけてくれた。
「はい、すぐ近くですから。」最初は、こんな会話だった。
彼は、19歳。長身の笑うと可愛い爽やかな人。それから、私が彼女はいるの?と聞くと悲しそうな顔で、いないよ。と答えた。
「昔、冒してはいけない、過ちを冒したんだ…俺には人を愛する資格は、ないんだよ…」
と、彼は呟いた。
そんな彼の悲しい顔を見たくなくて、私は最高の笑顔で言った。
「お友達に、なろうよっ!!」彼は、照れくさそうに、笑った。
作村 祐介、それが彼の名前。
家に帰ると母が、咳をしている。風邪をひいたようだった。

料理なんて作った事がなかった。兄が死んでから、私と母の仲は悪くなり、料理なんて教えてもらった事なんてなかった…
料理本を、片手に卵が粥を作ろうと一生懸命にやっていたら、お皿を落とした。
母が駆けてくる。
「料理なんて作った事ないのに、やめてちょうだい!」

母は、眉間にシワを寄せ、面倒くさそうに言った。
ただ…笑ってほしかった。ありがとうって言ってほしかった。
私は、いらない子。兄の替わりに私が死ねば、良かったのだと言われた様な気がした…続く

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