もうひとつのイソップ物語4
「君は、そんな暮らしをしていて、それで満足なのかい?たったひとりで孤独に暮らし、寂しくはないのかい?このままでは、君の未来はないに等しいんじゃないのかい?」と。
するときりぎりすは、
「僕は、ヴァイオリンが上手くなりたいだけだ。他に求めるものは何もない。もし僕に寂しさがおとずれる時があるとするなら、それは、ヴァイオリンの音色を失った時だ。」と、言った。
遠くを眺めながら強く放たれたその言葉は、そのまま雲の上まで昇っていくようだった。ありは、その言葉が雲に溶けていく様を見送り、それきり彼を案ずるのをやめた。
日々は相も変わらず流れていた。きりぎりすはヴァイオリンを奏で続け、ありは来る日も来る日も働き続けた。
そんなある日、ありの耳にまったくヴァイオリンの聞こえない日があった。午後になっても、夕暮れ時になっても、やっぱりヴァイオリンの音が聞こえてこない。
わずらわしいとさえ感じていたその音色も、まったく聞こえないとなるとありは気に入って仕方がなかった。
(まさか、死んでしまったのでは…)
いやな想像が頭をよぎり不安を抑えきれなくなったありは、思い切ってきりぎりすの家を訪ねた。
するときりぎりすは、
「僕は、ヴァイオリンが上手くなりたいだけだ。他に求めるものは何もない。もし僕に寂しさがおとずれる時があるとするなら、それは、ヴァイオリンの音色を失った時だ。」と、言った。
遠くを眺めながら強く放たれたその言葉は、そのまま雲の上まで昇っていくようだった。ありは、その言葉が雲に溶けていく様を見送り、それきり彼を案ずるのをやめた。
日々は相も変わらず流れていた。きりぎりすはヴァイオリンを奏で続け、ありは来る日も来る日も働き続けた。
そんなある日、ありの耳にまったくヴァイオリンの聞こえない日があった。午後になっても、夕暮れ時になっても、やっぱりヴァイオリンの音が聞こえてこない。
わずらわしいとさえ感じていたその音色も、まったく聞こえないとなるとありは気に入って仕方がなかった。
(まさか、死んでしまったのでは…)
いやな想像が頭をよぎり不安を抑えきれなくなったありは、思い切ってきりぎりすの家を訪ねた。
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