少女の中の少年
少女と少年は顔を見合わせて首を傾げた。
「君は誰?」
二人の声が重なる。
少年と少女は顔を見合わせて笑った。
「私は君」
「僕は君」
二人の手が重なってぴたりとくっつく。
「君は僕」
「君は私」
重なって手が溶けて混じり合い一つになっていく。
「僕は私」
「私は僕」
二人の体がぴたりと合わさって一つになった。
二人の間に残った少年にも少女にも見える子供が立ち尽くす。
そして涙を流して、一言。「でも僕は消えちゃった」子供から少年が剥がれて、消える。残った少女は一人泣き続けた。
目覚まし時計のけたたましい叫びが私を現実に引き戻した。
額と頬を伝う汗を拭って、痛む下腹に触れた。
ナースコールを押すと、少しして看護婦が来た。
「どうしました?」
傷口が痛むんです。
「痛み止めが切れたんですね」
投与された薬が効いたらしく痛みは徐々に引いていった。
しかし胸の痛みを消すことは出来ず、私は泣いた。
私の中に何故かあって先程切除されたばかりの精巣、いや私の中の少年の為に―
「君は誰?」
二人の声が重なる。
少年と少女は顔を見合わせて笑った。
「私は君」
「僕は君」
二人の手が重なってぴたりとくっつく。
「君は僕」
「君は私」
重なって手が溶けて混じり合い一つになっていく。
「僕は私」
「私は僕」
二人の体がぴたりと合わさって一つになった。
二人の間に残った少年にも少女にも見える子供が立ち尽くす。
そして涙を流して、一言。「でも僕は消えちゃった」子供から少年が剥がれて、消える。残った少女は一人泣き続けた。
目覚まし時計のけたたましい叫びが私を現実に引き戻した。
額と頬を伝う汗を拭って、痛む下腹に触れた。
ナースコールを押すと、少しして看護婦が来た。
「どうしました?」
傷口が痛むんです。
「痛み止めが切れたんですね」
投与された薬が効いたらしく痛みは徐々に引いていった。
しかし胸の痛みを消すことは出来ず、私は泣いた。
私の中に何故かあって先程切除されたばかりの精巣、いや私の中の少年の為に―
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