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バンドブーム〜18〜

[297]  こう  2007-04-13投稿

一階、コーヒーの甘い香りが漂う職員室に入る。

「おぉ!珍しく大桑じゃないか!どした?文化祭の出演登録か?」

生徒指導部の織田だ。
ヒゲが濃く、絡みずらい奴。

「今年もバンド演奏やるのか?杉原と坂本の三人で。」

「いや、あいつら受験勉強に専念するらしい。」

ボールペンをアゴでノックしている。

「じゃあ今年はソロでやるのか?」

「いいや、海山と。」

ノックする音が途絶えた。
「海山ぁ!?だってお前海山のこと・・・」

喉元まで出かけた言葉を飲み込んだのがわかった。

(海山のこと イジメてるんじゃないのか)

「はやく登録してくれよ。昼休みが終わっちまう。」
「あ・・・あぁ・・・。」
引き出しから登録用紙を出し、ボールペンをノックした。

代表者
3年5組 大桑 亮也
メンバー
3年6組 海山 明光
チーム名


「おい、バンド名はないのか?」

忘れてた・・・。

勝手に決めちゃってもいいよな?



♪♪♪⌒♪♪♪♪⌒♪♪♪


・・・屋上からアケミツの歌声が聞こえてきた。

職員室まで聞こえてくるなんて、すごい声量だな。



・・・でも微かに聞こえる下手くそなギター・・・。

「・・・そうだな・・・バンド名は・・・読み込み中“NOW Loading“ってとこかな?」



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