―僕の事情― 6
しばらく頑張ってみたが、やっぱり空腹には耐えられず、僕は家からは少し離れているコンビニに行くことにした。
何でうちの近くにはコンビニがないんだろう…などと思いながらコンビニに向けて歩いた。
「お腹減って歩く気力すらないよ。」
小さく愚痴りながらとぼとぼ歩いていると、信号の向こう側に見覚えのある人が自転車に乗って信号待ちしていた。
「げっ…海斗…」
僕が今一番会いたくない人だ。
僕は海斗に気付かれないように、その信号から遠ざかろうとした………が、僕が向きを変えた途端に青信号になったらしい。
「涼…?」
自転車のブレーキの音と共に僕の斜め後ろから声がした。
やばいっ!!!
僕は振り向きもせずもと来た道を必死に走った。
だが、自転車の速さにかなうはずもなく…
あっさり右腕を掴まれ、僕は静止した。
だが、振り向きはしない。
「涼…何で逃げんだよ。……こっち向けよ。」
海斗は僕の腕を離さないまま僕の斜め後ろから話し掛ける。
僕は混乱していた。
何を言えばいいのかわからない。
「…………」
僕はどうする事もできずにつっ立ったまま、走って乱れた呼吸を落ち着かせるので精一杯だ。
海斗が自転車から下りる気配がした。もちろん腕を離してはくれない。
「涼…少し話さないか?」
僕は黙ったままだ。
だって話すって…何を?
今の僕はとても話せる状態じゃないって自分で分かったから。
「俺んち行こう。」
海斗はそう言って、自転車をおしながら僕の腕を掴んだまま歩き始めた。
「えっ…ちょ、海斗!」
「いいから!」
有無を言わせないその言葉に、僕はそれ以上何も言わずに黙ってついていくしかなかった。
何でうちの近くにはコンビニがないんだろう…などと思いながらコンビニに向けて歩いた。
「お腹減って歩く気力すらないよ。」
小さく愚痴りながらとぼとぼ歩いていると、信号の向こう側に見覚えのある人が自転車に乗って信号待ちしていた。
「げっ…海斗…」
僕が今一番会いたくない人だ。
僕は海斗に気付かれないように、その信号から遠ざかろうとした………が、僕が向きを変えた途端に青信号になったらしい。
「涼…?」
自転車のブレーキの音と共に僕の斜め後ろから声がした。
やばいっ!!!
僕は振り向きもせずもと来た道を必死に走った。
だが、自転車の速さにかなうはずもなく…
あっさり右腕を掴まれ、僕は静止した。
だが、振り向きはしない。
「涼…何で逃げんだよ。……こっち向けよ。」
海斗は僕の腕を離さないまま僕の斜め後ろから話し掛ける。
僕は混乱していた。
何を言えばいいのかわからない。
「…………」
僕はどうする事もできずにつっ立ったまま、走って乱れた呼吸を落ち着かせるので精一杯だ。
海斗が自転車から下りる気配がした。もちろん腕を離してはくれない。
「涼…少し話さないか?」
僕は黙ったままだ。
だって話すって…何を?
今の僕はとても話せる状態じゃないって自分で分かったから。
「俺んち行こう。」
海斗はそう言って、自転車をおしながら僕の腕を掴んだまま歩き始めた。
「えっ…ちょ、海斗!」
「いいから!」
有無を言わせないその言葉に、僕はそれ以上何も言わずに黙ってついていくしかなかった。
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