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ナイト・オン・ドラグーン【91】話「神風吹き荒れる荒野で」

[219]  みるく  2007-04-13投稿
神風の守護者を打ち倒した。
しかしその者は自分の友人だったのだ。

神風の闘技場の外は、何ひとつ変わらない光景が広がっていた。
神水の搭のように川に水が戻るでなく、大地の城塞のように闇が消えるでなく。

荒れ果てた荒野と切り立った崖、そして青い空。

だが、確かに神風の鍵は壊れた。

ひとつの命が失われたのだ。


人の命を奪うって…こういうことだったんだ…

「俺は…結局、強者にはなれなかったのだな…」

神水の守護者ギースの声が蘇った。
両手を差し延べ、笑みを浮かべて死んでいった大地の守護者ガイアの姿も。

彼らの命と引き替えに、大勢の命が救われたはずだ。

封印騎士団によって弾圧され、苦しめられていた人々は喜び、幸せそうに笑っていた。
しかし、
一方で自分は別の命を奪った。
死にたくないと願い、必死で生き延びようとする命を。
それもまた事実なのだ。

「マナ…俺たち、もう進むしかないんだな」

ここで立ち止まれば全てが無駄になる。
この手で奪った守護者たちの命も。
ならば、あと一人でも多くの人を苦しみから解放するしかない。

「ええ、そこに未来があります。きっと」マナの言葉が沈みかけた心に力を与えてくれた。マナがいてくれてよかったと、改めて思う。
五つあった封印はあと一つ、それさえ壊せば全てが終わる。


「終わったか…小僧」

レグナが舞い降りてくる。

「ああ…だけど、最後の封印の搭は一体…」

アインはマナを見たが彼女は肩を竦める。

「私にもわかりませんが、近くにレジスタンス達の隠れ家があります、彼らなら何か知ってるかも…」

「儂は知っておるぞ」

「え?」

「わからぬのか?小僧」

心辺りのない問いにアインは首を傾げた。

「アンクレット城…またの名を天時の搭。小僧、の最初の拠点だ」

「なっ…!?」

どうする?とレグナが視線を送ってくる。

「灯台下暗しというわけか…。わかった行こう」

最後の封印の搭へ。



人々を縛る最後の鎖を断ち切るために…


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