ナイト・オン・ドラグーン【91】話「神風吹き荒れる荒野で」
神風の守護者を打ち倒した。
しかしその者は自分の友人だったのだ。
神風の闘技場の外は、何ひとつ変わらない光景が広がっていた。
神水の搭のように川に水が戻るでなく、大地の城塞のように闇が消えるでなく。
荒れ果てた荒野と切り立った崖、そして青い空。
だが、確かに神風の鍵は壊れた。
ひとつの命が失われたのだ。
人の命を奪うって…こういうことだったんだ…
「俺は…結局、強者にはなれなかったのだな…」
神水の守護者ギースの声が蘇った。
両手を差し延べ、笑みを浮かべて死んでいった大地の守護者ガイアの姿も。
彼らの命と引き替えに、大勢の命が救われたはずだ。
封印騎士団によって弾圧され、苦しめられていた人々は喜び、幸せそうに笑っていた。
しかし、
一方で自分は別の命を奪った。
死にたくないと願い、必死で生き延びようとする命を。
それもまた事実なのだ。
「マナ…俺たち、もう進むしかないんだな」
ここで立ち止まれば全てが無駄になる。
この手で奪った守護者たちの命も。
ならば、あと一人でも多くの人を苦しみから解放するしかない。
「ええ、そこに未来があります。きっと」マナの言葉が沈みかけた心に力を与えてくれた。マナがいてくれてよかったと、改めて思う。
五つあった封印はあと一つ、それさえ壊せば全てが終わる。
「終わったか…小僧」
レグナが舞い降りてくる。
「ああ…だけど、最後の封印の搭は一体…」
アインはマナを見たが彼女は肩を竦める。
「私にもわかりませんが、近くにレジスタンス達の隠れ家があります、彼らなら何か知ってるかも…」
「儂は知っておるぞ」
「え?」
「わからぬのか?小僧」
心辺りのない問いにアインは首を傾げた。
「アンクレット城…またの名を天時の搭。小僧、の最初の拠点だ」
「なっ…!?」
どうする?とレグナが視線を送ってくる。
「灯台下暗しというわけか…。わかった行こう」
最後の封印の搭へ。
人々を縛る最後の鎖を断ち切るために…
しかしその者は自分の友人だったのだ。
神風の闘技場の外は、何ひとつ変わらない光景が広がっていた。
神水の搭のように川に水が戻るでなく、大地の城塞のように闇が消えるでなく。
荒れ果てた荒野と切り立った崖、そして青い空。
だが、確かに神風の鍵は壊れた。
ひとつの命が失われたのだ。
人の命を奪うって…こういうことだったんだ…
「俺は…結局、強者にはなれなかったのだな…」
神水の守護者ギースの声が蘇った。
両手を差し延べ、笑みを浮かべて死んでいった大地の守護者ガイアの姿も。
彼らの命と引き替えに、大勢の命が救われたはずだ。
封印騎士団によって弾圧され、苦しめられていた人々は喜び、幸せそうに笑っていた。
しかし、
一方で自分は別の命を奪った。
死にたくないと願い、必死で生き延びようとする命を。
それもまた事実なのだ。
「マナ…俺たち、もう進むしかないんだな」
ここで立ち止まれば全てが無駄になる。
この手で奪った守護者たちの命も。
ならば、あと一人でも多くの人を苦しみから解放するしかない。
「ええ、そこに未来があります。きっと」マナの言葉が沈みかけた心に力を与えてくれた。マナがいてくれてよかったと、改めて思う。
五つあった封印はあと一つ、それさえ壊せば全てが終わる。
「終わったか…小僧」
レグナが舞い降りてくる。
「ああ…だけど、最後の封印の搭は一体…」
アインはマナを見たが彼女は肩を竦める。
「私にもわかりませんが、近くにレジスタンス達の隠れ家があります、彼らなら何か知ってるかも…」
「儂は知っておるぞ」
「え?」
「わからぬのか?小僧」
心辺りのない問いにアインは首を傾げた。
「アンクレット城…またの名を天時の搭。小僧、の最初の拠点だ」
「なっ…!?」
どうする?とレグナが視線を送ってくる。
「灯台下暗しというわけか…。わかった行こう」
最後の封印の搭へ。
人々を縛る最後の鎖を断ち切るために…
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