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暇の潰し方8

[311]  あこん  2007-04-15投稿
俺、笠木広人は退屈していた。高校に入って半月ほど経った頃だ。
最初は慣れない環境だったのでそれなりに新鮮だったが、いつしか思っていた。
同じ日々の繰り返しだ、と。
そんなとき、日下部佳奈理が俺に話しかけてきたのだ。

「ちなみにあの時は生クリームイチゴパンを食っててな、それがうまいのなんの。」
「脱線してんじゃないわよ。」
机を挟んで向い側に座る幼馴染、高崎美玖があんぱんをかじりながら半眼になる。
「って!俺のあんぱん!」
一時的に奪われたと思っていた俺の昼飯は、ミクの腹に納まってしまった。
「あ、ああぁぁぁ。」
「…いいから続き話しなさいよ。」
「続きも何もあるか。その日だ、校内モップがけ事件は。」
廊下に撒かれた水で数十人が転んでいると聞いている。
「…なんでその日のうちに一緒に馬鹿やってるかな。」
「…暇だったからな。」
嘘だ。本当の所、日下部が俺と同じ考えだったからだ。
同じ日々の繰り返し。この言葉を日下部も使った。
『それなら、私たちで日常を変えてしまえばいいんです。』
いいかも、と思ってしまった。
そして、日下部と少し騒いでみた。
楽しかったさ、やってるときは。
「…ヒロ?」
さて、そろそろ話を切りやめるか。ミクの後ろから日下部が目を輝かせて忍び寄って来てるしな。
「珍しい組み合わせですねー。」
「ぅえぇ!?」
ミク、驚き過ぎだ。
「珍しくもなんともねーよ、ガキの頃からこの組み合わせだ。」
きょとんとした顔で日下部はミクを見ている。
「あぁ、だからミクちゃんと話していると笠木くんとかぶるんですか。」
「…そーなのか?」
別に似ているところはないと思うがな。
「いや、間の取り方とか似てますよ。」
気にしたことねーや。
「…はっ!ということはミクちゃんも退屈者だったのですか?」
「なんだその造語は。」
「いや、私は別に退屈は…。」
「二人じゃなかなかできないこと、沢山あるんですよねー。」
日下部は何か考えながら離れていった。
確かにミクは俺に似てるかもな、日下部に巻き込まれるところとか。
ところであいつは日常を変える気は本当にあるのかね。毎日暇潰しと称して遊んでるだけな気がするが。
「三人で、なにをするつもりなの?」
「…さぁな、あいつの行動が読めたことなんて一度もねぇよ。」
そして、二人同時に溜め息をついた。

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