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悲しみの空prologue

[466]  桐生徳人  2007-04-15投稿
これは異世界の悲しいお話…

15年前、大きな戦争があった。強国:アニティスと東方連合軍との戦い…

多勢に無勢。圧倒的な戦力差により、アニティスは自国の領土進行を許してしまった。

この事態を重く見たアニティス政府は、研究中の科学兵器を自国前線で使用するという、自殺とも思える強攻策を実行した。

結果として、両軍の前線部隊は壊滅。特にアニティス国では一般市民に多大な犠牲を出してしまった。

しかしこの結果を見た連合側は2度とこんな事を起こしてはならないと、和平交渉を持ち寄った。

…結果として科学兵器の使用により戦争は終結した。

しかし、まだ研究中であったその科学兵器にはとんでもない副作用があった。

その副作用が発見されたのは戦争終結の翌年。アニティス国内の、とある病院で生まれた新生児が、くしゃみをしただけで病院を半壊させた。奇跡的に死者は出なかったが、多数の負傷者を出してしまった。新生児の母親は被爆者だった。

新生児は武装警察によりその場で射殺。後にこの事件は、病院の名前「カフラー総合病院」からとり
「カフラー事件」と呼ばれることになった。

カフラー事件を皮切りに、被爆者から生まれてくる新生児の2〜3%から、人間離れの特殊能力を持っている子が生まれるようになった。

裏社会ではマフィアや貴族間での特殊能力者の売買など、深刻な問題も起き始めた。

政府は特殊能力者を保護・隔離するとして、各病院で被爆者から生まれた新生児を検査して検査に引っかかった場合には、軍の研究施設へと強制連行していった。

しかし、スラム街など政府の目が届かない場所では能力者による犯罪事件や、能力者が拉致される事件が後を絶たず、治安がどんどん悪くなっていった。

これはこんな世界で生まれた能力者イルの悲しい物語。

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