MURASAME
吸血鬼無想?
「あんたたち…」
レイナは二人の姿を見て呆れ顔で呟いた。その姿はボロボロで、幸司に至っては上半身裸で血まみれだった。
「ああ、なんか血がついて気持ち悪いからな…」
別に悪くもないだろう…そういいたげに幸司は体を掻く。
「俺達のことは別にいいだろ…それよりそいつ誰だ?」
天馬がブラッドを訝しげに見つめる。
「彼はブラッド…私のパートナーよ。それ以上でも以下でもないわ」
レイナは再び、不機嫌そうな顔になった。天馬も追求する気が無いのか、それ以上問い詰めることはなかった。
「さて、こっちでわかったことを教えておこう」
天馬がレイナに切り出した。
「俺達は吸血鬼達の集落に行ったが…もぬけのから。誰もいやしねぇ」
幸司が吐き捨てるように云った。
「しかし、生活の痕はあった。抵抗したのか、血の痕もあったしな。敵は吸血鬼達を攫って何をする気なんだ?」
レイナは考えこんでいたが、やがて口をひらいた。
「以前、同じようなことをした吸血鬼がいたわ…そもそも、なんで吸血鬼に咬まれると吸血鬼になるのかわかる?」
二人は揃って首を振った。
「奴らの血液の中には特殊なウィルスみたいなものが入っていて、それが人の血液と結合することで体を変質させる…いわばレトロウィルス…エイズやATLと同じね」
天馬は頷いたが、幸司にはいまいちわからなかったらしい。顔が呆けている。
「その吸血鬼は自分の一族を増やそうと、大量の人間やはては同族を集め、自分の血を注入し、一族を増やした」
「そんなことができるのか!?」
「普通の吸血鬼には無理ね…ただし、始祖(ロード・ジェネシス)と呼ばれる吸血鬼なら…私の妹なら…できないこともないでしょうね」
天馬は言葉を失った。
「なんであの子がそんなことをするのかわからない…それなら、あの子だけは私の手で…」
レイナは刀を握りしめ、瞳に哀しみを募らせた。
「くだらねーな」
不意に幸司が口を挟んだ。
「あんたたち…」
レイナは二人の姿を見て呆れ顔で呟いた。その姿はボロボロで、幸司に至っては上半身裸で血まみれだった。
「ああ、なんか血がついて気持ち悪いからな…」
別に悪くもないだろう…そういいたげに幸司は体を掻く。
「俺達のことは別にいいだろ…それよりそいつ誰だ?」
天馬がブラッドを訝しげに見つめる。
「彼はブラッド…私のパートナーよ。それ以上でも以下でもないわ」
レイナは再び、不機嫌そうな顔になった。天馬も追求する気が無いのか、それ以上問い詰めることはなかった。
「さて、こっちでわかったことを教えておこう」
天馬がレイナに切り出した。
「俺達は吸血鬼達の集落に行ったが…もぬけのから。誰もいやしねぇ」
幸司が吐き捨てるように云った。
「しかし、生活の痕はあった。抵抗したのか、血の痕もあったしな。敵は吸血鬼達を攫って何をする気なんだ?」
レイナは考えこんでいたが、やがて口をひらいた。
「以前、同じようなことをした吸血鬼がいたわ…そもそも、なんで吸血鬼に咬まれると吸血鬼になるのかわかる?」
二人は揃って首を振った。
「奴らの血液の中には特殊なウィルスみたいなものが入っていて、それが人の血液と結合することで体を変質させる…いわばレトロウィルス…エイズやATLと同じね」
天馬は頷いたが、幸司にはいまいちわからなかったらしい。顔が呆けている。
「その吸血鬼は自分の一族を増やそうと、大量の人間やはては同族を集め、自分の血を注入し、一族を増やした」
「そんなことができるのか!?」
「普通の吸血鬼には無理ね…ただし、始祖(ロード・ジェネシス)と呼ばれる吸血鬼なら…私の妹なら…できないこともないでしょうね」
天馬は言葉を失った。
「なんであの子がそんなことをするのかわからない…それなら、あの子だけは私の手で…」
レイナは刀を握りしめ、瞳に哀しみを募らせた。
「くだらねーな」
不意に幸司が口を挟んだ。
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