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夏の日の足跡?

[170]  大河内洋らん  2007-04-16投稿
みっちゃんは半年前に引っ越して来たお隣さんのひとり娘だ。
引っ越しの挨拶に親子三人で来てくれた翌日“これ、由美ちゃんにあげる”そう言って画用紙に私の似顔絵を描いて持ってきてくれた。“これは誰?”隣に赤いランドセルみたいなのを背負った子供が描いてある。“みっちゃんかな?”
“よくわかりましたね、みっちゃんもうすぐ一年生やし赤いランドセルで学校行くねん”
あの日嬉しそうにそう行ってた。
鴨川の桜がちょうど満開の頃で、みっちゃんの笑顔はそれに負けない位素敵だった。
なのにみっちゃんは…もういない。
木製のがくの中に入れてリビングに飾った、あの絵のなかでいつまでも、一年生のままで笑っているだけだ。新築のマンションの集会所では初めての葬儀が行われていた。
集会所の入口ではテレビ局のリポーターが出入りする人々にマイクを向けながらいくつかの質問をぶつけている。
子供を連れた親たちは、まだ解決していない事件のせいで足早に帰って行った。自宅に戻ると特番でみっちゃんのニュースが流れていた。
京都府警の会見では8月16日下鴨神社の近くで小学一年生の福原美佐ちゃんが遺体で発見された…犯人は未だ不明…という朝から繰り返した同じものだ………ベランダに出て外を見るとまだ集会所の周りにはカメラマンが沢山集まっている。
みっちゃんが時々ベランダから声をかけて来たな…ふっと思い出した。
やめかけてたタバコに火をつけて、その場にうずくまり…泣いた。
夢から覚めたように
すべてが現実だと気づいた。
玄関のドアを静かにノックする音が聞こえる…いつの間にか薄暗くなった部屋に“白石さん…白石さん…”っと呼ぶ声が聞こえる
ドアを開けると上に住んでる鵜飼さんのご主人が立っていた。“すみません、お休みでしたか?”葬儀から帰って色々思い出してる内に疲れて少し眠ったようだ。
“ごめんなさい…少し…疲れたみたいで…”
“わかりますよ…内の嫁さんも何度もマンションの入口でリポーターにつかまったり…カメラで撮られたりで…困ってますよ…それに白石さんは福原さんのお隣だから余計でしょう”っと気遣ってくれた。そして“実は白石さん…ご存知かなあ”そう言いながら胸ポケットから警察手帳を取りだし見せた。

感想

  • 6827: あの事件の関係者?それからどぅなったの… [2011-01-16]
  • 6832: 犯人は捕まったのですか?子供を犠牲にするなんて許せません! [2011-01-16]

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