皆さんの嫉妬心は怖い。
彼女のいない同級生と
先輩全てが敵となった。
突然、目の前で
許婚宣言をされては
たまったものではない。
まあ、悪くはない･･･
いや、
むしろ極上なわけで。
「･･･どこかで
会いましたっけ？」
できるかぎり
申し訳ない表情で
聞いてみる。
「やっぱり、
覚えてないですよね。」
良かった、王道で
下手な騒ぎにならずに。
でも、残念そうな顔は
している。
「では、思い出せる
ように、当時の事を。」
僕は急いで止める。
「いや、自力で
思い出してみるよ。」
今、昔の話をされては
半殺しにされる可能性が
ある。何があったか
覚えてないから、
尚更危険だ。
そこに、瑠瓦が肩を
叩き、
「話してもらおうよ、
俺様としても楽しみだ。」と、悪魔のささやきを
口走る。
女子は楽しそうに、
男子はその目に殺気を
宿らせて聞き耳を立てる。お願い、話さないで。
「･･･辞めておきます。
ですけど、ヒントは。」
と言うと、
澪はいきなり、
抱き着いて来た。
その頭を胸にコツンと
頭をつける。
すると、手が勝手に
動き、頭を撫でていた。
「ふふ、身体は覚えてる
見たいですね。」
･･･これは癖だ。
昔から、頭を撫でる癖が
あるのだ。特に女子。
とは言え、何故撫でる癖
ができたのか。
それが思い出せない。
思い出そうとすれば、
ぼんやりと誰かの顔が
浮かぶ。
「･･･わからない。」
やはり、思い出せる
はずがなかった。
「今は無理しなくて
いいです。」
まあ、無理しても
思い出せそうにない。
放課後･･･
いつも通り、瑠瓦、麻由
と一緒に･･･まあ、
そこに一人加わる
わけだか。澪は数歩
下がって歩いてる。
「澪ちゃん、
相当やるわね。」
麻由がにっこりと
笑いながら、
こっちを見る。
そして、いつもの道で
別れる。澪と二人っきり
になっていた。
「澪もこっちの方に
家があるのか？」
と聞いてみる。
「はい。」
･･･間がもたない。
そして、マンションに
到着した。
「実は、隣の部屋です。」と無邪気な笑顔を
浮かべている。
自分の部屋に戻る。
俺は明日、どうなって
いるだろうか。
さよなら、平凡な日常。
初めまして、
全く知らない日常。

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