―僕の事情― 7
「チャリ止めてくるからそこで待ってて。」
そう言って海斗は自転車をひいて家の横の自転車置場に入っていった。
「海斗の家…久しぶりだな。」
目の前の家を見上げ思わず呟いた。
海斗の家に最後に入ったのは中3の春だったと思う。
それからは、なんとなく海斗の家に入るのを避けていた。
その理由は昨日やっとわかった…。
海斗にとって迷惑なこの感情を持ったまま海斗の家に、海斗の部屋に入るのに、無意識だが後ろめたさがあったからだ。
少したってから自転車を置いて海斗が戻ってきた。
「今親いねぇから安心しろ。」
海斗はそう言いながら鍵を開け中に入る。
………ちょっと待て。今…なんて言った?
「海斗…おじさんとおばさんいないってどういう事…?」
僕は玄関に直立不動のまま既に靴をぬぎ、家にあがっている海斗に恐る恐るたずねた。
「あ?俺の親今日用事あるらしくて帰り遅いから、安心して何でも話せって事。…涼、何か悩みがあんだろ?昔から涼は何か悩みがあると一人で苛ついてたり、落ち込んでたり、焦ってたりしたもんな。」
話しながらくすくす笑って海斗は僕の背を押し、自分の部屋へ誘導させる。
「か、海斗!僕悩みなんかないから!」
うそ。
ほんとは人生最大ではないかと思うくらい大きな悩みがあるけど、言えるわけないじゃん。
本人の目の前で…
“海斗の事で悩んでる”なんて。
そう言って海斗は自転車をひいて家の横の自転車置場に入っていった。
「海斗の家…久しぶりだな。」
目の前の家を見上げ思わず呟いた。
海斗の家に最後に入ったのは中3の春だったと思う。
それからは、なんとなく海斗の家に入るのを避けていた。
その理由は昨日やっとわかった…。
海斗にとって迷惑なこの感情を持ったまま海斗の家に、海斗の部屋に入るのに、無意識だが後ろめたさがあったからだ。
少したってから自転車を置いて海斗が戻ってきた。
「今親いねぇから安心しろ。」
海斗はそう言いながら鍵を開け中に入る。
………ちょっと待て。今…なんて言った?
「海斗…おじさんとおばさんいないってどういう事…?」
僕は玄関に直立不動のまま既に靴をぬぎ、家にあがっている海斗に恐る恐るたずねた。
「あ?俺の親今日用事あるらしくて帰り遅いから、安心して何でも話せって事。…涼、何か悩みがあんだろ?昔から涼は何か悩みがあると一人で苛ついてたり、落ち込んでたり、焦ってたりしたもんな。」
話しながらくすくす笑って海斗は僕の背を押し、自分の部屋へ誘導させる。
「か、海斗!僕悩みなんかないから!」
うそ。
ほんとは人生最大ではないかと思うくらい大きな悩みがあるけど、言えるわけないじゃん。
本人の目の前で…
“海斗の事で悩んでる”なんて。
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