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ナイトウォーカー?

[466]  るい  2007-04-17投稿
「ナイトウォーカーの僕しか知らないからね。本当の僕は…」
【ハク】の言葉が詰まる。
「本当のハクって?」私が聞き返すと【ハク】は小さな声で囁いた。
「本当の僕は…」そう言うと【ハク】はそでを捲った。
白く細い腕。月の光がよけいに白く光らせる。
…よく見るとその白い手に、うっすらとピンク色のライン。
「何か分かる?」
「ん…何かの跡?」
「うん…僕の罪を流した跡だよ」
罪を流した跡?どういう事だろう?
私は【ハク】の腕に手を伸ばした。ピンクのラインは凹凸していた。
「カットの跡…?」
「そうだよ。僕が…僕が壊してしまった事に対しての罪の跡」
どういう事だろう?
「壊してしまったって?」
「僕は…好きな物に対しての感情が人と違うから」
優しかった【ハク】の笑顔が消え、寂しそうな瞳で呟いた。
「違うって?感情は人によって違うんじゃない?」
「……僕は…僕は大切な物を壊したくなるんだ。傷つける事でしか自分を表現できないから」
いつもと違う哀しい笑顔。
壊すって…傷つけるってどういう事だろう?
その後は…お互いに無言だった。
気付くと遠くの空に色が着きはじめている。
「ハク。どうして今日は話してくれたの?」
【ハク】はいつもの笑顔で「クロと話のが好きだったからかな」
「意味分からないよ?」私が少しすねたように答えると遠い目で
「もう時間だね。また会えるといいな」
「何言ってるの?すぐ会えるじゃん」
「そうだね。クロ…あと少し時間くれる?」
「いいよ。なんで?」
私がそう答えると同時に【ハク】の顔が近付いてきた。
【えっ?何?】
そう考えた時、【ハク】の唇は私の唇に触れていた。………………
【…ハク…?……痛っ!】
柔らかいキスから、一瞬トゲが出た様な鈍い痛み。
「ゴメン…。じゃあね、クロ。ありがと。」
茫然とする私に【ハク】は別れを告げて、立ち去って行った。
【何?…何?】
意味も分からず唇に触れると、赤い色。
【あっ!血が出てる】
さっきの痛みは【ハク】に噛まれたんだ。でもなんで?私は色がつきはじめた街を歩きながら考えた。
【なんでハクはキスしたんだろい?それに噛み付いたりして】

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