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Runa?

[270]  ルナ  2007-04-19投稿
ルナは生理が終わり仕事に復帰した。
いつものように水野の車でデリバリーヘルスの事務所に向かうはずだった。
今日は事務所には向かわず、水野が車を走らせ着いた先は綺麗な夜景の見える山だった。
『綺麗だね〜。』
ルナは心からそう言った。同時に翔と一緒に見たかったという気持ちも持っていた。
『裏夜景。ナンパしたらまずみんなここに来るだろうね。』
水野は得意げに言った。
しばらく夜景を眺め、水野から口を開いた。
『実はさ、ここの店、来週で閉めるんだよね。』
『えっ?』
『理由はよく知らないんだけど、店長気紛れだし、来月の風俗誌にはここの店載せないんだって。』
『…。』
ルナは水野のその言葉が信じられなかった。お店がなくなったらどうやって1人で暮らして行けばいいんだろう。もうすぐ家も出なくちゃいけないのに。
ルナは不安でいっぱいだった。まだ16歳のルナには考えられない程不安だった。
『でさ、俺再来月にでも自分でデリやろうと思ってんだけど、ルナちゃん俺の出す店で働かない?俺についてきてくれない?』
やっぱり水野はルナを商品としか見ていなかった。それでもルナはたとえ商売道具であろうと必要とされていることが嬉しかった。
『うん。』
ルナは笑顔で答えた。
1週間後、水野の言葉通りお店はなくなった。
昨日、最後の仕事を終え自宅に送ってもらう途中、水野はルナと約束をしていた。
『今度電話するから。ご飯でも食べに行こう?』
『うん。約束ね。』
そう言って別れた。けれど、それからいくら待っても水野からの連絡はなかった。
1ヶ月後、ルナは正式に退学届を学校に提出した。
まだ誰もいない教室にルナは1人で入った。自分の教科書やノート類を紙袋に詰め込んだ。そして翔の机の前に立った。教科書とノート、ペンケースが入っていた。プリクラの貼ったペンケース、きっと中学の頃の翔だろう。可愛かった。中にはシャープペンや真新しい消しゴムと使い古した小さな消しゴムが入っていた。
『ごめんなさい。』
そう心で呟いて、ルナは使い古した方の消しゴムを手に取り教室を後にした。
涙が出そうだった。翔とはきっともう会えない。

感想

  • 6848: 作家さんのルナさんが 男性か女性かわかりませんが【わからない方が謎でいいけど】よく人間観察されてるのですね…まだまだ楽しみにしてます。Runa読者。 [2011-01-16]

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