一目で恋
いつも同じ時間、同じ場所で居眠りをしてる君。そこはあなたの特等席。そして、そんな誰かも知らないあなたのことを見ていられる、ドアの近くが私の指定位置。高校生になって、初めての電車通学。私の隣に座っていたあなた。揺れる電車の中で、あなたは眠っていたから、肩が何回もぶつかった。私の降りる駅は終点の駅。終点に近付くにつれ、だんだんと人が少なくなってきた。そして、終点一個前の駅を電車が発車したとき、車内にいたのは、二、三人のサラリーマンと、あなたと私だけになった。あなたはまだ眠っていた。そしてとうとう終点に着いた。私は立ち上がった。彼は起きない。そして私は電車を降りようと、ドアの近くまで来たとき、もう一度振り返った。彼は起きる気配を見せない。私は、思い切って彼に近寄り、肩をとんとん、と叩いた。
「あのっ、終点ですよ。」彼は顔をあげて、目を擦った。
「んー。」
そして突然驚いたような顔をした。
「えっ!?終点?」
窓から駅を確認したあと、彼はやべーと言って、走っていった。私はというと、しばらくぼーっとしていた。彼が顔を上げたときの顔が忘れられなかった。そう、いわゆる一目惚れってやつ。私は恋していた。
「あのっ、終点ですよ。」彼は顔をあげて、目を擦った。
「んー。」
そして突然驚いたような顔をした。
「えっ!?終点?」
窓から駅を確認したあと、彼はやべーと言って、走っていった。私はというと、しばらくぼーっとしていた。彼が顔を上げたときの顔が忘れられなかった。そう、いわゆる一目惚れってやつ。私は恋していた。
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