relations 30
「ほらぁ、笑ってよ。」
シャッター音が鳴っても仏頂面の俺に、ユカリが笑いかけた。
「いや。」
「子ども〜。」
「ぅるせっ!!」
言い合ってる間も、シャッターはきられていく。
時間内に沢山撮れるやつらしい。
こんなに撮ったら選ぶのが大変そうだ。
「アップしよアップ。」
グイッと俺の肩を押しカメラに近づくユカリ。
顔に柔らかい巻き髪がかかった。
「ちょ……ユカリ髪こしょばぃ。」
「あ、ごめん。」
ユカリがフワッと髪をかきあげる。
俺の右側にいるユカリ―――綺麗な横顔に一瞬目を奪われてしまった。
「どうしたの?」
「え?あ…別に……。」
慌てて反らした目の端に、なにか違和感を感じて――
あ?
今………なかった?
もう一度ユカリを見る。
カメラを見つめる無邪気な瞳と、真っ白な頬と、ゆるやかに微笑む唇――――そして、左耳。
ピアスが……ない?
いつも紫の石が光るその場所には、小さな穴があいてるだけ。
思わず手を伸ばす。
「リョウ?」
ポカンと見上げてくるユカリにかまわず、髪をかきあげながら耳朶に触れた。
ない。
マジでない。
シャッター音が鳴っても仏頂面の俺に、ユカリが笑いかけた。
「いや。」
「子ども〜。」
「ぅるせっ!!」
言い合ってる間も、シャッターはきられていく。
時間内に沢山撮れるやつらしい。
こんなに撮ったら選ぶのが大変そうだ。
「アップしよアップ。」
グイッと俺の肩を押しカメラに近づくユカリ。
顔に柔らかい巻き髪がかかった。
「ちょ……ユカリ髪こしょばぃ。」
「あ、ごめん。」
ユカリがフワッと髪をかきあげる。
俺の右側にいるユカリ―――綺麗な横顔に一瞬目を奪われてしまった。
「どうしたの?」
「え?あ…別に……。」
慌てて反らした目の端に、なにか違和感を感じて――
あ?
今………なかった?
もう一度ユカリを見る。
カメラを見つめる無邪気な瞳と、真っ白な頬と、ゆるやかに微笑む唇――――そして、左耳。
ピアスが……ない?
いつも紫の石が光るその場所には、小さな穴があいてるだけ。
思わず手を伸ばす。
「リョウ?」
ポカンと見上げてくるユカリにかまわず、髪をかきあげながら耳朶に触れた。
ない。
マジでない。
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