ヤス#42
ヤス#42
アイが近づいて来た。ヤスは逃げようとしたが、金縛りにあったように体が動かなかった。声も出ない。アイはヤスに覆いかぶさるようにしながら、ヤスの腹に掌をそっと乗せてきた。アイが動く度に、ぶら下がった乳房がュラュラと揺れている。
ヤスは先端の赤いグミの実を凝視した。熟したグミの実は甘い。そんなヤスの心中を見透かしたかのように、アイはその赤い実をヤスの口元まで近づけて来た。ヤスは催眠術にでもかかったかのように、その赤い実に唇をつけた。そして、かじった。それはまさしく熟したグミの実そのものだった。
ヤスは何時しか裏山のグミの木の下にいた。細い竹を鞭のように使い、たわわに実ったグミの小枝を叩き折ると、びっしりとついたグミを頬張った。ほんのりと渋みも残っているが、甘い果肉を口の中で掬い取っては種を吐き出す。
時々、聞いた事のない甘美な女の声が耳に届いた。ヤスはそんな事を気にも留めず、甘いグミの実を頬張った。再び、女の声がした。すすり泣く様な声だが、どことなく甘えたような声でもあった。ヤスはグミの種を噛んだ。
「痛ううっ!」
ヤスはその声で我に返った。
アイが近づいて来た。ヤスは逃げようとしたが、金縛りにあったように体が動かなかった。声も出ない。アイはヤスに覆いかぶさるようにしながら、ヤスの腹に掌をそっと乗せてきた。アイが動く度に、ぶら下がった乳房がュラュラと揺れている。
ヤスは先端の赤いグミの実を凝視した。熟したグミの実は甘い。そんなヤスの心中を見透かしたかのように、アイはその赤い実をヤスの口元まで近づけて来た。ヤスは催眠術にでもかかったかのように、その赤い実に唇をつけた。そして、かじった。それはまさしく熟したグミの実そのものだった。
ヤスは何時しか裏山のグミの木の下にいた。細い竹を鞭のように使い、たわわに実ったグミの小枝を叩き折ると、びっしりとついたグミを頬張った。ほんのりと渋みも残っているが、甘い果肉を口の中で掬い取っては種を吐き出す。
時々、聞いた事のない甘美な女の声が耳に届いた。ヤスはそんな事を気にも留めず、甘いグミの実を頬張った。再び、女の声がした。すすり泣く様な声だが、どことなく甘えたような声でもあった。ヤスはグミの種を噛んだ。
「痛ううっ!」
ヤスはその声で我に返った。
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