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MURASAME

[494]  あいじ  2007-04-21投稿
吸血鬼無想?

風が吹き抜ける。
流れるような風音に混じり、剣撃が辺りに響いた。やがて音が収まると鳥居の何本かが無残に倒れ落ちた。気が付くとブラッドとプロフェードがその姿を現わしていた。
「やりますね…僕を傷つけたのはあなたが初めてです」
プロフェードが右手を挙げるとにわかに血が滲んでいる。彼は傷口から流れる血を舐めた。それを見たブラッドは唸り声を上げると、ダガーを構え突撃態勢をとった。
「あなた喋れないんですか?…せめて、人間らしさぐらいは持ち合わせてほしいものですね」
プロフェードは傷口を喰い破ると溢れだす血を凝固させ、刃をつくりだした。
ブラッドは駆け出し、プロフェードに斬りかかる。が、血の刃に阻まれダガーは弾かれた。ブラッドは弾かれたダガーを振り上げ、頭部を狙う。プロフェードは素早く身をかわすと血刃をブラッドの腹に叩きこんだ。すると、弾けたように血刃が拡大し、腹から背中へ突き抜けた。血しぶきが上がり、ブラッドの返り血がプロフェードの体を濡らした。
「悪くないですね。あなたの血は…」
ブラッドはその態勢のまま、プロフェードを斬りつけた。不意を突かれたプロフェードは肩にダガーを刺され、ブラッドから離れた。
「バカな…痛みを感じないのか…?」
肩から溢れる血を押さえ、プロフェードは混乱した。ブラッドは再び彼に斬りかかった。プロフェードはそれをかわし、ブラッドの右腕を切り落とした。その瞬間、ブラッドの体から無数の刃が飛び出し、プロフェードに突き刺さった。悲鳴とともにブラッドはプロフェードの首を切り落とした。
「ウソだ…まだ…僕はあの人に何も…何も…」
ブラッドはダガーをプロフェードの頭に突き刺し、満身の力を込めてそれを叩き潰した。
彼は残ったプロフェードの体を切り刻むと、怒りとも、哀しみともとれない唸りを上げ、涙の代わりに血を流した。

感想

  • 6860: ホラーのような ホラーでないような?でも すごく面白い! [2011-01-16]

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