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兄貴の想い?

[415]  チュー太  2007-04-22投稿
それからというもの、私はヒデの看病に徹底した。

正直、私はヒデがかわいそうという思いと、自分が悲しいという思いだけで必死だったんだ。
なのに、ヒデはあんな宣告をされたにもかかわらず、今まで以上に私を心配してくれた。
それに、なぜか月日がたつにつれてとても穏やかな顔になっていったんだ。

私の心を見透かされているようにヒデはいつも笑っていてくれた。
私が元気をあげなきゃいけないのに、逆にヒデに癒されてしまっていたんだ…。


それから、治療はとても過酷なものになっていった。
薬の副作用であきらかに衰弱していった。

顔色は悪く、やせ細り、嘔吐を繰り返す。

それなのにヒデは無理矢理でも笑顔をつくっていた。

そんなヒデを見て、私は心がとても痛かったんだ…。
だから言ったんだ…
『ヒデ…辛いなら辛いって言ってよ。そんなムリして笑わないでよ。』

でも、ヒデは…
『俺の辛さはこれで最後かもしれない、でもミサはこの先、生きていく間に沢山の辛さが待っていると思う。だから、今この一瞬でも楽しく思っていてもらいたい。』
と…。

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