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バル王国の王子

[410]  BB太郎  2007-04-22投稿
ギュルゾール地方にバル王国という美しい国があった。すべてが満ち足りた、平和な国だが、一つだけ秘密があった。それは、国王が竜だということ。
それは、国の者以外、誰にも知られてはならないこと。
王の名はガーヴェン。六歳の時、城の裏にある泉の精にいたずらをして、竜に変えられてしまった。それでも、そのときの王、つまりガーヴェンの父のアルフは竜になったガーヴェンを見捨てず、後継ぎとして立派な王に育て上げた。心優しい家臣や王国の民達も、誰一人ガーヴェンをいじめたり、恐がったりする者はいなかった。
ガーヴェンには妻がいた。王国一の美女、アリッサである。アリッサはガーヴェンを愛していた。ガーヴェンもまた、アリッサを愛していた。
二人には今、楽しみにしていることがあった。二人だけではない、王国中の人々が楽しみにしている。それは、二人の子供のこと。男の子か、女の子か…の前に、竜か、人か…。
しかし、生まれてきたのは、竜でも人でもなかった。
人の体に竜の鱗と翼…
元気な竜人の男の子だ!
王国は新しい王子の誕生に歓喜した。二人はこの赤ん坊に、アレンという名前を付けた。

感想

  • 6882: なんじゃそらよ…イジメの対象や [2011-01-16]

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