†特別なアリス†
…いつもと変わらない……何もない平凡な1日…。
中学1年である吉田有栖は冬休みの1日をソファーでゴロゴロしながら雑誌を読んで過ごしていた。
…すると何処からか声が聞こえた……。
(アリス…)
消えてしまいそうな声…。
有栖は突然の呼び掛けにビックリして飛び起きる。
両親は共働きで家には有栖とクッションの上で寝ている愛犬のティヒィアしかいない。
気のせいだと思いまたソファーに座ろうとした時。
【―アリス―】
今度ははっきりとした声。
確かに聞こえた。
―自分を呼ぶ声―\r
しかし周りを見渡しても…外にも…誰もいなかった。
有栖は部屋を見渡した。
……やはり誰もいない。
…[!]
何か異変を感じた。それは自分の後ろからだった!!
恐る恐る振り返る……
そこには全身を見渡せる程の大きな鏡―。
少しホッとしながら鏡に近づいた。
あれ?…鏡の中の自分が笑っている……いや、微笑みかけている。
有栖はまったく笑っていない…しかし鏡の中の有栖は笑っている……。
一瞬ゾクッとした…。
でもそれは恐怖心からくるものでは無かった。
不思議と鏡の中の有栖に近づいていた。
鏡の前まで来ると鏡の中の有栖は真剣な顔になり、
【時間がないの。】
とだけ言うといきなり有栖の手を掴んだ!!
―本来なら固いはずの鏡―しかしその時の鏡は違った。
まるで水に触れるかのようにグニャっと歪んだ。
…そして有栖は鏡の中に引きずり込まれた……。
(ぶつかる)
そう思い有栖は目を瞑っていた…。
しかし痛みも何か当たった感触もなかった…。
そっと目を開け周りを見渡す……。 さっきと変わらない風景が目の前にあった…。
しかしよく見ると違っていた。
1つはさっきまでクッションの所で寝ていた愛犬のティヒィアがいない事…。
2つ目は電化製品がまったく使えない事…。携帯なんか電源も入らない。ただのオモチャの様だ。
3つ目は文字が全て鏡文字になっている事…。
有栖は確信した……。
『私…鏡の中に入っちゃった!?』
中学1年である吉田有栖は冬休みの1日をソファーでゴロゴロしながら雑誌を読んで過ごしていた。
…すると何処からか声が聞こえた……。
(アリス…)
消えてしまいそうな声…。
有栖は突然の呼び掛けにビックリして飛び起きる。
両親は共働きで家には有栖とクッションの上で寝ている愛犬のティヒィアしかいない。
気のせいだと思いまたソファーに座ろうとした時。
【―アリス―】
今度ははっきりとした声。
確かに聞こえた。
―自分を呼ぶ声―\r
しかし周りを見渡しても…外にも…誰もいなかった。
有栖は部屋を見渡した。
……やはり誰もいない。
…[!]
何か異変を感じた。それは自分の後ろからだった!!
恐る恐る振り返る……
そこには全身を見渡せる程の大きな鏡―。
少しホッとしながら鏡に近づいた。
あれ?…鏡の中の自分が笑っている……いや、微笑みかけている。
有栖はまったく笑っていない…しかし鏡の中の有栖は笑っている……。
一瞬ゾクッとした…。
でもそれは恐怖心からくるものでは無かった。
不思議と鏡の中の有栖に近づいていた。
鏡の前まで来ると鏡の中の有栖は真剣な顔になり、
【時間がないの。】
とだけ言うといきなり有栖の手を掴んだ!!
―本来なら固いはずの鏡―しかしその時の鏡は違った。
まるで水に触れるかのようにグニャっと歪んだ。
…そして有栖は鏡の中に引きずり込まれた……。
(ぶつかる)
そう思い有栖は目を瞑っていた…。
しかし痛みも何か当たった感触もなかった…。
そっと目を開け周りを見渡す……。 さっきと変わらない風景が目の前にあった…。
しかしよく見ると違っていた。
1つはさっきまでクッションの所で寝ていた愛犬のティヒィアがいない事…。
2つ目は電化製品がまったく使えない事…。携帯なんか電源も入らない。ただのオモチャの様だ。
3つ目は文字が全て鏡文字になっている事…。
有栖は確信した……。
『私…鏡の中に入っちゃった!?』
感想
- 6889: メチャメチャ面白かったです。 [2011-01-16]
- 6896: 表現がうまいですね。端的な文ですが、状況が思います浮かべることができて、読んでいてワクワクしてきました。 [2011-01-16]