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ナイト・オン・ドラグーン【95】話『助っ人』

[188]  みるく  2007-04-25投稿
−『でやぁぁあ!!』
アインは剣を横に振り抜く、密集する鎧の群れが吹っ飛ぶ。

四方からまた兵士達が押し寄せてくる。また払う。

マナの放つ魔法の爆風が残りの鎧を薙ぎ払っていった。

それを幾度も繰り返しながら、じりじりと天時の入口まで進む。
いちいちトドメは刺さない、キリがないからだ。
とりあえず戦意を削ぎ、動きを鈍らせればそれでいい。
見渡せば気が遠くなりそうな数だが、全てを倒す必要はない。

−『アイン!』

マナの声で我に返った。
アインは力任せに剣を振り抜く。
−『君がいなければ、私はここまで来ることはできなかったでしょう。』

杖で兵士達を薙ぎ払いながら、マナが振り返った。
四方を敵に囲まれている状況でありながら、その口元には微笑がある。

−『俺だって!』

追いすがる兵士を蹴り飛ばし、叫ぶ。
−『俺は、あなたに導かれてここまで来たんだ!』

アインとマナ、出会った時は敵同士だった。
しかし、共に戦う道を選んだ。
−『最後まで共に行く!君と!!』

この戦いが終われば、最後の鍵を壊せば、人々は封印騎士団の作った呪縛から解放される。

痩衰え、無気力に座り込んでいた人々に笑顔が戻る。
そのためにも、余計な事を考えてはいけない。
迷ってはならない…

−『行きましょう、アイン。私たちの戦いを終わらせに』

頷く代わりに、アインは行く手を阻む兵士達を一気に薙ぎ払った。
マナの言葉が疲れきった腕に力を与えてくれた。
天時城の入口まだ遠い。

それでも斬り伏せて進む。
その決意は少しも揺るがない。

ふと、何かを聞いた。爆音でもなく、兵士たちの怒号でもない。
遠いどよめきを…

なんだろう?

『ヒーローは、遅れてやって来るってね♪』

聞き覚えのある声が響いた。
突然、巨大な火柱が上がる。
兵士達の数が一気に減ったのがわかった。

華奢で小柄な人物。リオだった。

−『ウォォォ!!』
次は地面が揺れ、巨大な大男が兵士達をことごとく殴り飛ばしている。
ゴンザレスだ。

『アイン!ここは僕らが引き受けた』
目の前にリリーナが現れる。

そうだった。仲間はマナだけじゃない。

『すまない、持ちこたえてくれ!』



感想

  • 6905: マジ感激 [2011-01-16]

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