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年下の彼9

[564]  カトリ  2007-04-25投稿
二階の部屋では正希と航が課題に取り組んでいる。


両親は仕事に出たので、優希は暇を持て余していた。

庭に水まきをする。
強い日差しに、水しぶきが反射して小さな虹が見える。

「おーい。優〜。」

二階の窓から正希が顔を出す。
優希はそれを見上げる。


「何〜??」

「昼飯、出前とるんだろ?俺と航、冷やし中華ね!下で食べるから!」

「ハイハイ…」


優希は、冷やし中華を3人前を出前でたのみ、テーブルを拭き麦茶とグラスを三つ用意してリビングでテレビを観ていた。


ピンポーン


チャイムが鳴ると、正希が部屋から降りてきて玄関へ向かった。


階段から、ゆっくりと航が降りてきた。


最後に会ったあの日より、背が伸びて、肩の辺りがしっかりした感じだった。

目が合う。


「お久し振りです。」

声も低くなっていた。

「久し振り。」


優希は笑顔で言った。


「食べようぜぃ。」

正希が割り箸を優希と航に手渡す。

何気ない会話をし、食事が済むと二人は部屋に戻った。

優希は後片付けを済ませ、母に頼まれていた買い物に出掛け、戻った時には航はもう帰宅していた。


数日後、優希はアパートに戻り、あっという間に夏休みも終わった。


あの日、航と再会してから、優希はずっと航が気になっていた。


その感情は恋なのかもしれない。
それでも、四つも年下の弟の友人に、そのような感情を抱いていいものなのか…

もしくは、恋とは全く関係ないものなのかもしれない。

心にかかったモヤモヤは、以前のものとは全く別のものていう事だけは確実だった。


10月
航に会って、自分の気持ちを確かめたいと、優希は考えていた。
正希に伝言を頼もうと、学校帰りに、実家を訪れる。
「正希いる?」

ガチャ。


正希の部屋のドアを開ける。


そこには正希と航が座って参考書を開いていた。


「どした?」

正希が口を開く。

優希は動揺する。
「う…ん。
後でいいや。」

バタン。

ドアを閉める。

ガチャ。

ドアを開け航が顔を出した。

「優希さん、話があるんだけど。」

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