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特務戦艦ホーリー・ピーコック29

[326]  宵待夜霧  2007-04-26投稿
…天国のような、地獄のような時間を過ごし、ようやくシャトルに乗り込む。
席は個室で、視線に晒されずに済む事にホッとした。
そこで、あることを思い出し、アリアに聞いてみる。

「あの…乗って来られてたシャトルはどうしたんですか?」

すると、彼女はあっさりと、

「あっ、あれ?
あのステーションにあげちゃった。」

「…へっ…?」

「あのシャトル、最新式すぎて目立っちゃうのよね〜。
それにそろそろ次のシャトルが配備される筈だし♪。」

…太っ腹にもほどがある…。
あのシャトルは最新も最新、つい二ヶ月ほど前に発表されたばかりの筈だ。
本来ならあと30年ぐらいしないと、あの辺境ステーションには配備されなかっただろう。
それを[あげちゃった]って…。

『当機はまもなく発進いたします。
席についてベルトを…』

呆れていると、機内にアナウンスが流れる。

(これで、産まれ育ったキク星系ともお別れか…。)
なんとなく寂しい気分になり、ポケットに入れていた一枚の紙を取り出す。

それは、現代では珍しい[写真]と言うものだ。

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