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ウサキチ、、

[545]  ホッチ  2007-04-27投稿
僕の家には兎がいます。

僕が産まれた年に拾ってきたみたいです、、。

そう、古時計的な、、。

でも僕は奴が嫌いです!

僕のお菓子をつまみ食いするし、僕の布団にまんまるい糞するし、体はいくら洗っても臭いし、、。

でも、何か食べてるときの口の動きは好き。可愛いい。

ママに怒られて、布団にくるまり寝ていると。さりげなく一緒に寝てくれる、、そこは好き。

共にもう十年も生きている、、ずっと続くと。

五歳の時、ママから『命を授かったら、いつかまた神様に返さなきゃならないのよ。』

怖いことを言われた、、。

そのときは母がいなくなった時のことを想像して、涙が止まらなかった。


ウサキチが血尿した、、僕が小四のとき、、。
最初は僕から出ているかと思って鏡の前でちょこまかしてみた、、やっぱ彼女からだ、、。

ウサキチとは言え奴はメスだ、、医者は「乳癌」だと。もう助からないと、、。

兎が十年も生きているのは、大変珍しく。
乳癌になる兎もまれらしい、、突然の宣告。

家に帰ってからもウサキチがいなくなる実感が湧かなかった、、。

ママは泣きながらウサキチを撫でている、、茫然と眺める僕。

、、あっ!!そうか、、泣けば良いんだ、、。

最初はポロポロと、、ダムの崩壊、、後に多泣きする。
そんな僕をヤツレ始めていたウサキチがみている、、逆に慰められた気がした。

一週間後、、彼女は旅たつ。

冷たくなったウサキチ、いつまでも抱き締める、、。
こんなにも悲しい、こんなにも苦しいのならもうペットなんかいらない!!

母に叫ぶ!!

『強くなりなさい、、。』

静かな声で、ママは囁き。僕を抱き締めてくれた。

ウサキチのことを忘れまいと彼女の歯を加工して、ネックレスにした。

初めての友達、それ以上に僕は彼女を好きだったんだと思う。

ウサキチの十二周忌、、デート中、、付き合ってる彼女に聞かれる。

『いつも着けてるね、それ。
何かのお守り?』

えっ、、?これはね、、、


これから梅雨にはいろうかと紫陽花が準備にとりかかり、蛙の合唱練習も気合いが入っている。

また一年経っちゃったね、、空をみながら彼女にウサキチとの想い出を、、。

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