淡い泪 ?
ボールが右に左に、前に後ろに飛び交う。まるで跳びはねるウサギの様に。
しかし、いきなり跳ね返ったかと思うと、物凄い勢いで自分のコートに滑り込んでくる。
「しまった!」内藤がボレーをしそこねた。
バカンッ!!!
一瞬何が起こったのか内藤にはわからない。
ボールは向きを変えてそのまま相手コートの角を突き刺した。
内藤が急いで振り向くと、そこには汗だくになりながらラケットを振り切っている僕がいた。
練習試合の結果は4−1。初めての勝利だった。
「清水!!やったよ!!俺達勝ったんだよ!?」
まるで親にゲームでも買ってもらった小学生の様にハシャギ出す内藤。
「や…やったね……」相手プレイヤーにかなり左右に振られて心臓はバクバクと、脚はガタガタ震えていた。
「ほら、そこ!試合後の挨拶を忘れるな!」っと不満そうな相手プレイヤーと並んでネット際まで来る様にと催促している審判。
その日、僕と内藤は一緒に本屋に来ていた。いつもは自分一人でよく来る本屋であるが、今日は気分がいいらしい、奴もウキウキで付いて来た。
二人の好きなジャンルは大幅に異なるものだ。
内藤の好みはギトギトの恋愛物、一方僕はというとコンピュータ関連の雑誌をパラパラとめくっている。
「オメェ、よくそんな数式ばっか載ってるもんなんか読めんな。いつか耳から脳みそでもとろけて出てくんじゃねぇの?」「お前にその言葉そっくりそのままお返しするよ。」皮肉を込めて言い返してやった。
なんだかんだ言ってやはり楽しい。そのあと僕たちはお気に入りの本を購入し、電車の中でうっすらニヤけながら帰路に着いたのであった。
彼女とはあれからなんの連絡もしていない。僕しか彼女のメアドを知らない訳で、こっちから打たないと始まらないのだが。
しかし、僕はもう満足であった。どさくさに紛れて貰った連絡先であるが、そんなものは彼女が元気だと分かってしまえば僕にとって、なんの効力も発揮しないのだから。
もちろん、これで事がハッピーエンドで終われば何の問題もない。
僕は再度、彼女に会う事になろうとは当然ながら思ってもみなかったのである。
しかし、いきなり跳ね返ったかと思うと、物凄い勢いで自分のコートに滑り込んでくる。
「しまった!」内藤がボレーをしそこねた。
バカンッ!!!
一瞬何が起こったのか内藤にはわからない。
ボールは向きを変えてそのまま相手コートの角を突き刺した。
内藤が急いで振り向くと、そこには汗だくになりながらラケットを振り切っている僕がいた。
練習試合の結果は4−1。初めての勝利だった。
「清水!!やったよ!!俺達勝ったんだよ!?」
まるで親にゲームでも買ってもらった小学生の様にハシャギ出す内藤。
「や…やったね……」相手プレイヤーにかなり左右に振られて心臓はバクバクと、脚はガタガタ震えていた。
「ほら、そこ!試合後の挨拶を忘れるな!」っと不満そうな相手プレイヤーと並んでネット際まで来る様にと催促している審判。
その日、僕と内藤は一緒に本屋に来ていた。いつもは自分一人でよく来る本屋であるが、今日は気分がいいらしい、奴もウキウキで付いて来た。
二人の好きなジャンルは大幅に異なるものだ。
内藤の好みはギトギトの恋愛物、一方僕はというとコンピュータ関連の雑誌をパラパラとめくっている。
「オメェ、よくそんな数式ばっか載ってるもんなんか読めんな。いつか耳から脳みそでもとろけて出てくんじゃねぇの?」「お前にその言葉そっくりそのままお返しするよ。」皮肉を込めて言い返してやった。
なんだかんだ言ってやはり楽しい。そのあと僕たちはお気に入りの本を購入し、電車の中でうっすらニヤけながら帰路に着いたのであった。
彼女とはあれからなんの連絡もしていない。僕しか彼女のメアドを知らない訳で、こっちから打たないと始まらないのだが。
しかし、僕はもう満足であった。どさくさに紛れて貰った連絡先であるが、そんなものは彼女が元気だと分かってしまえば僕にとって、なんの効力も発揮しないのだから。
もちろん、これで事がハッピーエンドで終われば何の問題もない。
僕は再度、彼女に会う事になろうとは当然ながら思ってもみなかったのである。
感想
- 6948: 見にくいとの指摘を受け、少し自分なりに見やすく努力してみました。こんなんでどですか? byルイン [2011-01-16]